津田大介「情報隠しは逆効果になる時代」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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津田大介「情報隠しは逆効果になる時代」

連載「ウェブの見方 紙の味方」

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津田大介週刊朝日#津田大介
津田大介(つだ・だいすけ)/1973年生まれ。ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。ウェブ上の政治メディア「ポリタス」編集長。ウェブを使った新しいジャーナリズムの実践者として知られる。主な著書に『ウェブで政治を動かす!』(朝日新書)

津田大介(つだ・だいすけ)/1973年生まれ。ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。ウェブ上の政治メディア「ポリタス」編集長。ウェブを使った新しいジャーナリズムの実践者として知られる。主な著書に『ウェブで政治を動かす!』(朝日新書)

東洋大学の白山キャンパスの校舎=東京都文京区
(撮影/多田 敏男)

東洋大学の白山キャンパスの校舎=東京都文京区 (撮影/多田 敏男)

 そしてこの騒動はネットのみならず、複数の夕刊紙、さらには毎日新聞にまで取り上げられ、学生本人が実名で取材に応じ、大学側の説明に反論している。わずか10人ほどにしか届かなかった学生の声は、ネットに広がり、新聞紙面に掲載され、多くの人が目にすることになったのだ。

 この一件は、いわゆる「ストライサンド効果」の典型事例といえるだろう。ストライサンド効果とは、特定の情報を隠蔽(いんぺい)・排除しようとしたことで、かえってその情報が広範囲に拡散してしまうという現象だ。米国の歌手・女優のバーブラ・ストライサンドが、環境保全のために撮影され、ネット上に公開されていた1万2千枚の空撮写真の一部に自宅が写り込んでいたとして、削除と巨額の損害賠償を求める裁判を起こした事件に由来している。訴訟を起こさなければほとんど知られることのなかった写真が、訴訟の理不尽さによって注目され、結果的にその存在が広く知れ渡ってしまったというわけだ。

 ストライサンド効果は、ソーシャルメディア時代にともない、よりいっそう顕著になっている。今回の一件は東洋大学だけでなく、様々な大学にも多くの教訓を残したはずだ。

週刊朝日  2019年2月15日号


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津田大介

津田大介(つだ・だいすけ)/1973年生まれ。ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。ウェブ上の政治メディア「ポリタス」編集長。ウェブを使った新しいジャーナリズムの実践者として知られる。主な著書に『情報戦争を生き抜く』(朝日新書)

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