イラスト/CHARAPHIC LAB Co. Ltd.
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 がんについての相談をしたいとき、主治医に細かく聞きたいのに躊躇してしまうことはないでしょうか。そんなとき、いつでも気軽に相談できるのが「がん相談支援センター」です。週刊朝日ムック「がんで困ったときに開く本2019」では、都立駒込病院のがん相談支援センターの出江(いずみ)洋介医師を取材しました。

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「主治医は忙しそうで、そんな単純なことを聞くのははばかられる」「説明がよく理解できずに不安だけど、まあ今度聞けばいいや」などと、外来で主治医に聞きたいことを聞けず、先延ばしにしてしまい、日々、悶々としているという人もいるでしょう。

 そんなとき、気軽に相談できる窓口が、全国に434施設ある「がん診療連携拠点病院」に設置されている「がん相談支援センター」です。がん診療連携拠点病院は、全国どこに住んでいても、質の高いがん医療を受けることができるように、厚生労働省が指定した施設です。治療の内容や設備、がんに関する情報提供などにおいて一定の基準を満たしています。そのがん診療連携拠点病院に設置が義務づけられているのが、「がん相談支援センター」です。名称は病院によって異なることがあります。

■相談内容は多岐にわたる

 都立駒込病院のがん相談支援センターは「患者サポートセンター」といいます。そのセンター長の出江洋介医師はこう話します。

「『がん相談支援センター』は、その病院に通院・入院する患者さんやそのご家族以外でも、地域の誰もが無料で利用することができる窓口です」

 出江医師は、都立病院で唯一の「がん相談支援センター」常勤医として、日々患者の相談にあたっています。

「サポートセンター」という名称は、優しく温かい印象を与えようと院内で決められ、「がん相談支援センター」と同じ役割を果たしながら、緩和ケアセンター、薬剤師外来と連携を密にとっています。

 通常の「がん相談支援センター」での相談内容は、がんに関する治療や療養生活全般、地域の医療機関などについてです。左の表にあるとおり、大きく分けて看護相談、医療福祉相談、こころの相談があります。

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相談相手として頼りになる