一方で、兄弟も地方議員と政治に深いつながりがある上倉容疑者は周囲に「国会議員にでもならんと、やってられへんわ」「出馬できるように、株でカネをつくる」などと話していたという。

 だが、豪遊の上、国会議員になるためにカネをつくろうとして、株などに投資したが失敗したようだ。

 2016年、島根県で同じような強盗致傷事件容疑を起こし上倉容疑者は逮捕、起訴され、実刑判決を受けていた。

 今回の事件が立件される端緒が、上倉容疑者と西谷容疑者が京都の強盗被害者宅に送った“脅迫状”だった。

<以前住んでおられた御自宅に、男性が御邪魔させて頂いたことかと思います。依頼主は今のところA様(被害者)の新しい住所を存じておりませんが、私がお会いできないとなると、今後どのような行動をとるか、いささか不安なところでございます>

 という内容の手紙を2016年12月から2017年1月にかけて京都の被害者宅に数通、送付。その当時、上倉容疑者は島根県の事件で保釈中だったという。

「被害者は転居しており、再度、強盗に入ろうとしたのか、それともカネを脅し取ろうとしたのか、執拗に居所を探っていた。手紙が事件の立件のきっかけとなり、2人を逮捕、することができた」(捜査関係者)

 一方、上倉容疑者の共犯、西谷容疑者はどんな人物だったのか。知人によれば、自慢は芸能界にいる娘のことだという。

「いつ会っても、娘の自慢をしていた。有名プロダクションのコンテストで選ばれたのが10年近く前。今では、ゴールデンタイムのドラマにも出演しているそうで『有名女優Aと娘が一緒にドラマで共演するので、見てよ』などと電話がかかってきました。どうして、あんな事件を起こしちゃったのか…」と知人は不思議そうに語った。

「上倉容疑者はカネがなくなって、島根県の事件を起こしてしまった」(捜査関係者)

 上倉容疑者は犯行を認めているようだ。さらなる余罪があるとみて、追及するという。 (今西憲之)

※週刊朝日オンライン限定記事

著者プロフィールを見る
今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

今西憲之の記事一覧はこちら