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「難聴」予防が認知症リスクを減らす? 医師が関係性を解説

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週刊朝日#ヘルス
大きい声だとやさしく言えない(イラスト:ナカオテッペイ

大きい声だとやさしく言えない(イラスト:ナカオテッペイ

難聴から認知機能低下になる流れ(カスケード仮説)(週刊朝日 9月14日号より)

難聴から認知機能低下になる流れ(カスケード仮説)(週刊朝日 9月14日号より)

難聴があると認知的作業に支障が出ることに考えられる理由(認知負荷仮説)(週刊朝日 9月14日号より)

難聴があると認知的作業に支障が出ることに考えられる理由(認知負荷仮説)(週刊朝日 9月14日号より)

 加齢で難聴を患う人も増えてくる。そのまま放置し続けると認知症リスクが高まる可能性があることをご存じだろうか? 難聴と認知機能低下の詳しい因果関係やメカニズムについてはまだ解明されていないが、有力とされる諸説が存在する。

【難聴から認知機能低下になる流れはこちら】

愛知医科大学耳鼻咽喉科特任准教授の内田育恵医師によると、「カスケード仮説」「共通原因仮説」「認知負荷仮説」などの仮説が関心を集めているという。

「カスケード仮説」とは、難聴がもたらす障害や問題が直接的または間接的に連なると、段階的に認知機能の低下につながるという説だ。認知機能が低下する直接的経路としては、難聴により聴覚刺激が少なくなると聴覚路の神経活動が低下。脳の構造が変化して脳が萎縮し、認知機能が低下するという連鎖が考えられる。また、間接的な経路は、難聴により社会活動が減少し、うつやアパシー、社会的孤立を経ることによって認知機能の低下や認知症につながるというものだ。

「共通原因仮説」は、難聴と認知機能低下に共通の原因が作用するという説だ。

「認知負荷仮説」は、難聴があると日常的に聴取努力を強いられるため、限られた認知資源が聴覚処理能力に費やされてしまう結果、他の認知的作業を担う余力がなくなり、認知機能が低下するという説だ。

「もちろん、いずれも仮説ですので断定的には言えないところもありますが、いくつかの仮説のメカニズムが混在して難聴と認知機能低下の関係を形成しているのではないかと考えられています」(内田医師)

 現段階では加齢性難聴を治す方法はないが、補聴器を使うことで聴力を補い、聞こえを改善させることは可能だ。慶応義塾大学耳鼻咽喉科教授の小川郁医師によると、フランスの研究では、補聴器を装用して聞こえを補うことで、認知機能の低下が抑制されたという報告が得られている。これは、発症した認知症が治るということではないが、難聴の予防や早期対応により認知症のリスクを減らせることを示しているといえそうだ。


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