夏休みの締めくくりに読みたい! 現実モードへの橋渡しになる1冊 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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夏休みの締めくくりに読みたい! 現実モードへの橋渡しになる1冊

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矢部万紀子氏が旅先で読みたい本として選んだ3冊は?(※写真はイメージ)

矢部万紀子氏が旅先で読みたい本として選んだ3冊は?(※写真はイメージ)

 本好きにとっては、旅に持っていく本を選ぶのもまた楽しいものです。外出しなくても、書物によって旅を味わうこともできます。コラムニスト・矢部万紀子氏が旅先で読みたい本として選んだ3冊は?

*  *  *
■矢部万紀子氏が読みたいベスト3
(1)『離陸』
絲山秋子 文春文庫 910円
(2)『水中翼船炎上中』
穂村 弘 講談社 2300円
(3)『小屋を燃す』
南木佳士 文藝春秋 1500円

■選書の理由
若い頃は夏休みのたびに、海外に行き、海辺で寝転がって本を読んだ。藤沢周平をバリ島に連れていき、海坂藩に浸っていたらとんでもない日焼けをして、大変なことになった。

 体力が低下してからは、夏休みは休む! ということで、国内、それも温泉、2泊3日が定番だ。『離陸』を長野の別所温泉で一気読みしたのは3年前だったか。

 群馬にあるダムで「越冬」という勤務にあたっている公務員の「ぼく」のところに突如、黒人が現れ「女優を探してくれ」というところから物語が始まる。そこから東京やパリ、三重や熊本と舞台が移る。震災があり、さまざまな出会いがあり、たくさんの死がある。

 悲しいストーリーなのだが、あたたかさが底に流れていて、主人公と共に、時空を超えて漂っている気分になる。ふと本から目を離すと、「あ、温泉にいるんだった」。そんな不思議な気持ちになる本だ。


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