ブルペン投球を1、2回行って、1カ月以上ぶりの実戦。本来なら打者と勝負するどころではないよ。ほかにも阪神の糸井、DeNAのロペスなど故障を抱えながら、形だけの出場。どれもこれも、出場辞退した場合、後半戦10試合出場できない規定が邪魔をしている。「中途半端なパフォーマンスでも見たい」と考えるのか「ガチンコ勝負が見たい」となるのか。NPBもファンの方々の意見を集約して、ルール改正へ動いてもらいたいよね。

 話は多岐にわたるけど、2020年東京五輪の大会方式はちょっと頭をひねる。敗者復活方式を組み込んだみたいだが、2回も3回も負けたチームが金メダルを獲得できるとはね。逆にずっと勝っていても、決勝で1敗したら銀メダルだ。

 3チームずつ2組に分けて戦う最初の1次リーグで敗退チームもない。ただの順位づけ。3位であってもそこから勝ち抜けば金メダルにたどりつける。消化試合を減らしたいとの目的で今回の方式にしたとの報道も目にしたけど、逆に1次リーグは完全に消化試合だよね。何回も対戦する相手も出てくるだろう。難しい戦いになるよね。

週刊朝日  2018年8月3日号

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東尾修

東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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