北原みのり「福島の田んぼで、安倍が叫ぶ」
連載「ニッポン スッポンポンNEO」
作家・北原みのり氏の週刊朝日連載「ニッポンスッポンポンNEO」。北原氏は東京電力福島第一原発事故が起きたときの民主党政権を批判する、安倍晋三首相に疑問を呈する。
* * *
安倍さんは選挙戦の第一声を福島市であげた。
「なぜ私がこの福島の地から選挙戦をスタートするのか。それはあの東日本大震災。当時の民主党政権の下、なかなか復興が進まない。一日でも早く政権を奪還すべき、これが私たちの原点だ」
演説しているのは田んぼの中。最近の安倍さんの演説につきものの「安倍ヤメロ」の抗議はなく、映像をみるかぎり、集まっているのはおじいさんばかり。“僕の大切な第一声”が邪魔されないための、選び抜かれた田んぼだね。色々と弱い……。
それにしても、未だに「原発事故当時の民主党」批判を言い続ける安倍さんがこの5年間、何をしてくれたというんだろう。原発の汚染水はコントロールされていると国際舞台で嘘をつき、復興は進んでいると断言はするが、やっていることはオリンピックで盛り上げて福島を忘れようとする表面的なお祭り騒ぎで、あれほどの事故を起こしたにもかかわらず原発再稼働をどんどん進めた上に、海外にも売りつけ、しまいには民主党批判を福島の田んぼで行う。

おすすめの記事
あわせて読みたい