父親の清宮克幸・ヤマハ発動機監督(50)の影響もあり、「早大でラグビーがしたかったから」と初等部から早実へ通った清宮。「早実というよりはワセダ。父親がワセダなので憧れた」と話していた。大半が早大に進む早実で、清宮の進学も揺るがないと見られていた。しかし、「子どものころからの夢」であるプロ野球が、「ワセダへの憧れ」を超えた。

 打撃は群を抜いている。だが、守備などはプロですぐに通用するか疑問視する声もある。「自分を厳しく指導してくれて、成長させてくれる球団に行きたい」と清宮。プロでの目標は早実OBの王貞治氏(現ソフトバンク球団会長)を挙げ、「王さんのような野球人になりたい」と言い切った。

 注目を集め続けてきた18歳。子どもからの人気は抜群で、グラブを手に外野席でホームランを待ち構える少年少女たちの姿は、高校野球の応援風景を変えた。急速に進む「野球離れ」を食い止め、偉大なるホームラン王のように、国民にとってまぶしすぎる存在となる日は果たして来るのだろうか。

 運命のドラフト会議は10月26日。すでに1位指名を明言する球団もあり、競合は必至だ。袖を通すユニホームは──。

週刊朝日  2017年10月6日号