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津田大介「メディア統制の手段にもなる電波オークション」

連載「ウェブの見方 紙の味方」

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津田大介(つだ・だいすけ)/1973年生まれ。ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。ウェブ上の政治メディア「ポリタス」編集長。ウェブを使った新しいジャーナリズムの実践者として知られる。主な著書に『ウェブで政治を動かす!』(朝日新書)

津田大介(つだ・だいすけ)/1973年生まれ。ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。ウェブ上の政治メディア「ポリタス」編集長。ウェブを使った新しいジャーナリズムの実践者として知られる。主な著書に『ウェブで政治を動かす!』(朝日新書)

 ウェブを使った新しいジャーナリズムの実践者として知られるジャーナリストでメディア・アクティビストの津田大介氏。政府が実施を検討する「電波オークション」が及ぼす影響について解説する。

*  *  *
 9月12日、テレビ業界が激震する出来事があった。政府が電波の周波数帯の新規割り当てを競争入札にかける「電波オークション」を検討していると産経新聞が報じたのだ。

 携帯電話や放送局が利用する電波は元々公共の資源。これを日本では総務省が裁量で通信事業者や放送事業者に割り当て、「電波利用料」という形で料金を徴収してきた。だが、日本のように国策で特定の業者に使い勝手の良い周波数帯を割り当てている国は、欧米にはほとんどない。ほぼすべての国で電波オークションを実施している。

 オークションを導入する最大のメリットは、電波を必要な業者に再配分することで、利害関係者すべてに莫大(ばくだい)な収入が見込めるというところにある。

 欧州各国が3G携帯電話に用いる周波数オークションを実施した際の落札額は、総額15兆円以上にも及んだ。米国では既に特定の周波数帯を利用している放送局に電波の返上を求め、それを通信事業者が入札し、落札額の一部を放送局に還元する「インセンティブオークション」が実施されている。今年6月に売却が成立した600MHz帯のインセンティブオークションでは、まず政府が放送局から84MHz分の帯域を105億ドル(約1.1兆円)で買い上げ、それを米通信大手のT-モバイルに198億ドル(約2.2兆円)で売却した。


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