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“放置老人”の実態 ゴミ屋敷化に支援を拒み孤立も

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週刊朝日#シニア

道路からはわかりにくいが、枝を伐採すると、敷地内が廃材で埋まったゴミ屋敷が現れた

道路からはわかりにくいが、枝を伐採すると、敷地内が廃材で埋まったゴミ屋敷が現れた

“放置老人”転落を防ぐ、異変察知の7つのチェックリスト(週刊朝日 2017年9月22日号より)

“放置老人”転落を防ぐ、異変察知の7つのチェックリスト(週刊朝日 2017年9月22日号より)

自分の現在の状態は、まったく価値のないものと感じますか?(週刊朝日 2017年9月22日号より)

自分の現在の状態は、まったく価値のないものと感じますか?(週刊朝日 2017年9月22日号より)

 体が思うように動かなくなる。連れ合いとの別れを迎える。収入が減り、家計が苦しくなる。そんな出来事を機に、人生を無価値だと感じる人が現れる。身の回りのことがどうでもよくなり、放置してしまう高齢者。そんな「放置老人」に陥るのを防ぐ術を考えたい。

【“放置老人”への転落を防ぐチェックリストはこちら】

 東京都内の女性(55)は関西にある実家を毎月訪れ、親を見守っている。その実家に異変が起きたのは、今年初めだった。

 年明けに父が急死。すると、買い物や食事などでこまめに父の面倒をみてきた母(83)が、喪失感からか、何事にも手をつけなくなってしまったのだ。

 家の中は片付かずに散らかり放題。女性は帰省するたびに部屋を大掃除する。45リットルのゴミ袋3袋分を、一気に片付けた日もあった。今は、一人暮らしの母が心配で仕方がない。「ゴミの出し方は自治体によってルールが違い、休日に集積場に出せない。兄嫁にゴミ出しをお願いしたこともありました」と話す。

 お盆に実家へ帰省し、親の老いを改めて感じた人も少なくないだろう。けがや病気、夫や妻との死別など、老親の姿はさまざまな出来事を機に大きく変わる。

 ふさぎこんだり、掃除、洗濯、入浴など身の回りのことをやる気力を失ったり。周囲の支援も拒んで孤立し、やがて健康や生命も脅かされる。こうした状態は「セルフ・ネグレクト」(自己放任)と呼ばれる。チェックリストを参考に、異変に早く気づくことが大切だ。

 冒頭の女性の母のように精神的なショックを機に自暴自棄となると、セルフ・ネグレクトに陥りかねない。

 内閣府の2011年の調査によると、全国に約9千~1万2千人いると推計されるが、詳細はつかめていない。厚生労働省は自治体に対し、見守りなどの対応強化を呼びかけている。

 身の回りのことがどうでもよくなり、放置してしまう。いわば“放置老人”になると、周囲とのあつれきも高まる。その典型がゴミを片付けずに家にためこんでしまうゴミ屋敷だろう。


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