周囲の空気は凍り付いたというが、スタジオの音声がオンになったことで口論は終了した。だが、一連の経緯に納得できない宇野氏はプロデューサーに謝罪を要求。プロデューサーは当初拒んでいたが、数週間後に一転して謝罪し、今後、発言を規制しないことを約束したという。

 だが、その後も番組側とは不協和音が続いた。

 8月24日の放送では、今井絵理子参院議員との不倫が報じられた神戸市議の橋本健氏の政務活動費をめぐる疑惑について、宇野氏が「不倫疑惑があるから、こいつは何か石投げてOKって空気になってる。この問題自体、超くだらない。語る価値があるなら法整備の問題だけ」などと発言した。

 これについて放送後、別のプロデューサーから「一生懸命番組をつくっているスタッフに失礼だ」などと批判されたという。

 そして8月31日、降板が告げられた。理由は、番組改変に伴うコメンテーターの入れ替えだったという。

「降板は予想していたので、やっぱりな、と感じました。これは推測にすぎませんが、3月のもめ事の後にすぐにクビにしたら私が何を言うかわからないので、少し期間を置いたのではないか」(宇野氏)

 時に司会の加藤浩次氏と言い合いになるなど、歯にきぬ着せぬコメントが持ち味だった。現在の日本のワイドショーに対する違和感をこう語る。

「加藤浩次さんとは非常にうまくやっていたんですよ。一番の問題は、番組上層部の事なかれ主義です。彼らが右翼的な思想を持っているとはまったく思いませんが、圧力を恐れて自由な発言を規制してくる。また、今のワイドショーはネットと悪い意味で結託している。不倫した国会議員のような『水に落ちた犬』を見つけ出しては、ネットと一緒になって石を投げる装置になっている。私はそんな陰湿な文化を中から変えようと番組に対しても批判的なコメントをしてきましたが、局の上の人には目障りだったのではないか」

 日本テレビの広報部に宇野氏の主張について見解を求めると、次のように回答した。

「当社では、番組の制作過程に関する詳細についてはお答えしておりません。今回は10月期の番組リニューアルに伴う通常のコメンテーターの交代です。なお、交代される方は他にも複数いらっしゃいます」(本誌・小泉耕平)

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