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豊洲移転の決断迫られた小池知事が語る築地への未練

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小泉耕平週刊朝日

築地市場で働く人たちから意見を聞く小池百合子東京都知事(右)=17日午後1時11分、東京都中央区、角野貴之撮影  (c)朝日新聞社

築地市場で働く人たちから意見を聞く小池百合子東京都知事(右)=17日午後1時11分、東京都中央区、角野貴之撮影  (c)朝日新聞社

 東京都の小池百合子都知事が6月17日、築地市場(中央区)を訪れ、約束していた豊洲市場の無害化が達成されていないことを陳謝。同時に、業者たちから移転問題についての意見聴取を行った。

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 発言した業者たちの意見は、豊洲へ早期に移転すべきだという案と、移転を中止して築地を再整備すべきという案に分かれた。約40分にわたって意見を聞いた小池氏は、自身と築地市場との意外な“縁”を唐突に語りだした。


「私はエジプトに留学しておりまして、母が日本から来たとき、エジプトの地で日本料理店を始めたんです。で、私は母からタラコを何箱買ってこいとか、当時はファックスの時代ですが、カイロから注文が来るんです。もう、うん10年も前のことですが、実は私この辺(築地)をうろうろして、いいカマボコがどこで売っているかとか、たぬきそばのたぬきの部分をどこで買ったらいいかとか、実はけっこう詳しいものでございます。本当にちっちゃな店でしたが、『これは築地からです』と言うと、お客様が『おーっ』と喜んでくださる。私自身、築地には大変お世話になったということでございます」

 この日、新聞各紙が移転問題について「豊洲移転で決着へ」などと、小池氏が週明けにも豊洲への移転を発表すると報じた。豊洲に市場機能を移転しつつ、築地の跡地は売却せずに民間に貸し付けるなどして賃料を得るという案で、15日、16日の「市場のあり方戦略本部」で都職員らが提示した資料でも、事実上、この案が軸となっていた。

 この場合、築地を売却する従来の方針とは違うものの、築地市場がなくなり、豊洲へ移転するという都の既定路線は変わりない。

 しかし、豊洲移転が決定したような報道ぶりと違って、小池氏は業者らを目の前に、築地市場への”未練”をこうも語った。

「総合的にAかBかとかという観点だけでなく、これまで育ててきたブランドをどう守って、どう発展的にこの物流をどうするのかということをもって鳥の目で決めたいということをずっと申し上げてきたところです。やっぱり皆さんの声が生かされたということじゃないと。だって、新しい工場に移るわけじゃないじゃないですか。これ(市場は)生き物なんですから。それからこの築地というところで育まれるからこそ出てくるブランド力があるわけじゃないですか。(この市場が)これからも、東京の、そして日本の食の中心であり続けることは変わらない。これをどういう風にさらに磨いていけるのかについて、また皆さんからもご意見をうかがいながら、私として、基本的な方針、これを決めていきたいと思っています。これからもっともっと、この築地市場のほうにもうかがわせてもらいます」


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