鳩山由紀夫から弟・邦夫へ「人生まで追い越すとは兄として寂しい」 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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鳩山由紀夫から弟・邦夫へ「人生まで追い越すとは兄として寂しい」

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週刊朝日#お悔やみ
鳩山由紀夫さん (c)朝日新聞社

鳩山由紀夫さん (c)朝日新聞社

 今年も多くの著名人が静かに旅立った。見送った人々の弔辞や追悼の言葉には、故人の知られざるエピソードや感動秘話が込められていた。元首相である鳩山由紀夫さんが、弟の鳩山邦夫さんへ捧げた言葉を紹介する。

※6月22日、死去にあたってのコメント

【追悼】2016年に亡くなった著名人

*  *  *
3年前に母が亡くなりましたが、まさかこんなに早く邦夫まで逝ってしまうとは信じられません。都知事選に弟の出馬を期待している方がおられたので打診をしたのですが、「今はその気はないよ」との返事でした。それが弟との最後の会話になってしまいました。何事も兄を追い越していた弟でしたが、人生まで追い越すとは兄として寂しい限りです。
 
私たち兄弟は小中学の頃は小児ぜんそく持ちで、当時は運動が嫌いで、母が心配して家庭教師を私たちにつけてくれたのですが、その先生が勉強よりも野球や昆虫採集を教えてくれました。邦夫がチョウの権威になったのはそれがきっかけでした。料理もプロ並みでしたが、大学生の頃、勉強が終わると台所でギョーザを皮から作って食べさせてもらったり、屋台のラーメン屋に家を2人でこっそり抜け出して食べに行ったり、本当に仲の良い兄弟でしたが、常に弟のほうが積極的でした。

 また、弟は幼稚園の頃からオーパパ(一郎)の跡を継ぐのは自分だと言って、その通り、田中角栄先生の門下生となり、政治家になりました。政治嫌いの私が政治の世界に入るとき、派閥の違う私を角栄先生の下に連れて行ってくれました。言うまでもなく、弟は私にとって政治家の先輩であり、運命のいたずらで時には意見を異にすることがありましたが、内向的で自己表現がうまくない私にとっては、常に目標であり自慢の存在でした。

 今は政治一筋に生きてきた弟が、政治という責任から身も心も解放され、安らかに永眠することを祈っています。

週刊朝日  2016年12月23日号


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