林:都庁の近くにビアガーデンとかつくって、「5時になったら一杯飲んで帰りましょう」とか。あと、出会いの場もつくっていただいて。

小池:婚活ね。5時に帰れる人は「ゴジラー」とか。ばかみたい?(笑)

林:いいと思います(笑)。

小池:「シン・ゴジラ」という映画で、庵野(秀明)監督から防衛省について取材を受けたんですね。そのとき庵野さんに、「ゴジラが電線を取るのはやめてほしい」って言ったんです。私は前から電柱をなくす運動をしてまして、景観はもちろん、地中に埋めたほうが地震の際の安全性も高いんです。だけど、埋めるのにお金がかかるというので、アグリー(醜い)東京になっている。庵野さんには、「ゴジラが電線をつかんでバチバチッてやるのがいいんです」って言われちゃいましたが(笑)。

林:防災も大きな課題ですよね。首都圏直下型地震が来るかもしれないし……。

小池:いや、来るんです。来ることを大前提として、どこまで準備するかですね。

林:とくに下町は、火が出たら大変なことになりますよね。

小池:私は阪神・淡路大震災を経験しましたが、細い道は救助の手が入れない。木造密集地域の道を広げるか、移転していただくか……。都知事選では三つの「シティ」を掲げたんです。安全な都市、「セーフシティ」。男性も女性も、大人も子どもも、おじいちゃんおばあちゃんも、障害者も生かされる「ダイバーシティ(多様性)」。世界に開かれた環境都市「スマートシティ」。綴りは違いますけどね。

林:小池さんには人気という大きな武器がありますから、何でもできますよね。

小池:「山高ければ谷深し」と言いますが、行けるところまで行ってやろうと思ってます。今、私はこれまでほかの人がやってきたことを批判できる“野党”です。そのあとは自分の予算を組みますから、“与党”になって守らなくちゃいけない。だからいまが改革のためにいちばんの大切な時期なんです。

週刊朝日 2016年9月30日号より抜粋