世良公則氏がカープへの思いを語る(※イメージ)
世良公則氏がカープへの思いを語る(※イメージ)

 今年6月に球団としては32年ぶりの快挙となる11連勝を成し遂げ、7月には黒田博樹投手(41)が日米通算200勝を達成した広島東洋カープ。ついには25年ぶりの優勝を手中に収めようとしている今、ミュージシャン・俳優の世良公則氏がカープへの思いを語る。

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 広島出身で、おじいちゃんの代からカープファンの家系です。物心がつく前から、市民球団として応援してきた話を、ひざに抱かれて聞かされました。

 5年前に父は他界しましたが、病床にラジオを持ってきてくれと頼まれ、亡くなる寸前までずっと応援していました。生え抜きで良い選手が育ってきて、「もうそろそろ優勝するぞ」と言っていましたね。

 小さいころは、夕方になるとラジオで野球放送を聞いていました。当時、テレビではなかなか放映してもらえない球団でしたからね。テレビで放送があるのは巨人戦。テレビ局の解説が巨人寄りなんですね。だから、テレビの音声は消して、地元ラジオのなじみのある実況や解説を聞いて応援していましたよ(笑)。

 ドラマなどの役柄設定では、カープファンにするようにしています。「太陽にほえろ!」では、瀬戸内海の島出身のカープファンという役柄でした。ジャイアンツファンの神田正輝さん扮するドック刑事と野球の話で言い合っているシーンをつくりましたね。

 今年は毎回ヒーローが出てくるし、何と言っても試合の後半に点を取れるのが素晴らしい。10年前は、だいたい前半で試合が決まっていましたから。

 カープは、ファンと一緒に戦ってきた意識が強い球団だと思います。マツダスタジアムも観客との距離が近いと思いました。市民と一緒に野球を楽しもう、応援してもらおうというスタンスなんでしょうね。

 強いから好き、正義の味方だから好き、ではなく、強くなってくれ、頑張ってくれ、と一生懸命応援したくなるところにカープらしさがあり、そこにカープファンの愛があるんだと思います。

週刊朝日  2016年9月16日号