「日馬富士と鶴竜は万全でなく、白鵬を倒さなければ優勝できないのが現実。稀勢の里は白鵬より先に負けてはいけません。先行するか白鵬と並走する展開で、直接対決を迎えてほしい。民進党の野田佳彦前首相が参院選中の街頭演説で『白鵬は力が衰えた分、立ち合いが汚い……安倍政権も同じ』とやって白鵬側から抗議され、謝罪しましたが、確かに白鵬の立ち合いは汚いし、それは彼の力の衰えからだろうと見られているのも事実です(笑)。稀勢の里戦でも白鵬は何かやってきますよ。それをドッシリ構えて受けて立つことができれば……」(ベテラン記者)

 先代師匠の横綱昇進も、30歳のときだった。

 横綱審議委員会は、14勝以上の優勝を条件にあげているが、「相撲協会内では、『優勝ならば横綱に』という機運が高まっています。12勝で優勝でも、横綱への昇進があるかもしれません」(前出のベテラン記者)。

“おしん横綱2世”の誕生なるか。稀勢の里の綱とりに注目だ。(本誌・鳴澤 大、太田サトル、山内リカ、秦 正理、吉﨑洋夫/岸本貞司、韓国在住ジャーナリスト・菅野朋子)

週刊朝日  2016年7月22日号