田原総一朗「英国EU離脱で始まる『反グローバリズム』の時代」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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田原総一朗「英国EU離脱で始まる『反グローバリズム』の時代」

連載「ギロン堂」

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英国のEU離脱が決まったことを受け、国内では国民投票のやり直しの声が上がるなど混乱が続いている(※イメージ)

英国のEU離脱が決まったことを受け、国内では国民投票のやり直しの声が上がるなど混乱が続いている(※イメージ)

 英国のEU離脱が決まったことを受け、国内では国民投票のやり直しの声が上がるなど混乱が続いている。一方で、ヨーロッパ諸国では、所得の格差を要因とした新たな動きが見られるという。ジャーナリストの田原総一朗が解説する。

*  *  *
 6月23日、英国でEUからの離脱を問う国民投票が行われ、離脱派が勝利した。エコノミストなど多くの専門家は、離脱はないと予想していた。アイルランドのブックメーカー(賭け業者)も「残留確率92%」と予想していたが、結果は離脱だった。

 私もまさか離脱はないだろうと考えていた。EUは第2次大戦後、独仏の両国の対立に終止符を打つために石炭・鉄鋼産業を超国家機関の管理の下に置き、これに他の欧州諸国が参加してECSC(欧州石炭鉄鋼共同体)が設立されたのが原型で、67年にEC(欧州共同体)となり、93年に「人、モノ、資本、サービス」の移動が国内のように自由となるEUとなった。

 アジアでも、こうした形態が取れないものかと、いずれの国のトップも考えた。いわば理想の政治統合のはずだった。だが、人の移動が自由なため英国への東欧からの移民が増え、英国人の仕事が奪われた。しかも経済力の弱い国々を助けるためのEUへの拠出金が多すぎるということが離脱の要因となったのである。

 だが、離脱が決まった後に、英国国内で離脱を支持した人までもが「失敗だった」と言い始めた。「まさか本当に離脱になるとは思っていなかったので、離脱に投票した」という声が多く、英国政府に2度目の国民投票を求める署名が400万人を超えたということだ。

 こうした中、離脱を強く主張していた英国独立党(UKIP)のナイジェル・ファラージ党首が驚くべき発言をした。彼は離脱を支持する理由として、英国からEUに拠出する金額が「週に3億5千万ポンド(約480億円)で、これはひどすぎる」と主張していたのだが、実は、その拠出金の金額は間違っていて、「週に1億数千万ポンド」だったという。拠出金は3分の1の金額だったとファラージ自身が訂正したのだ。

 こうしたことが重なって、英国国内で「離脱派の勝利は行き過ぎだった」という声が強まっている。


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