「公判の流れが我々の民事訴訟にも影響を与える。大きな関心を持っている」

 政府の原発再稼働に向けた流れは止まらず、川内原発に続いて伊方原発が春にも運転を再開。高浜原発では、福井地裁が昨年12月、別の裁判長が再稼働を差し止めた4月の仮処分決定を取り消した。さらに泊、柏崎刈羽、大飯、島根、玄海などの各原発が年内に新規制基準をパスする可能性がある。

 だが、いくら政府が安全をPRしても、いったん事故を起こせば甚大な被害と放射線による健康不安を生むのが原発だ。現に、いまだに避難を続ける福島県民は10万人を超えている。昨年9月に避難指示を解いた楢葉町へ戻った住民は、人口の約5%に過ぎない。

 小澤氏が言う。

「政府が『復興』ばかり強調しても、住民はしらけムード。同じことを繰り返さないためにも事故の責任を取らせないといけない」

週刊朝日  2016年1月15日号