「年をとると、どうしても反射神経が鈍り始める。今後はそれが課題となる」

 肉体的な不安はないのか。内山自身は、折り目正しい言葉遣いで言った。

「目の前の敵を倒すことだけを考えてここまでやってきました。20代のころと比べれば、疲れが取れないこともあります。突然故障するかもしれないし、ガタッと体力が衰えるかもしれない。パフォーマンスが落ちたとか、もう努力できないと感じたときには引退します。でも、好きなボクシングを職業にできたのですから、一日でも長くやりたいと思っています」

 ファンがサインを求めてくると、「俺なんかのサインが要るの?」といぶかる。そんな人柄も人気の秘密だが、ファンが求めているのはKO勝ち。「ノックアウト・ダイナマイト」の本領発揮なるか。

週刊朝日  2015年12月4日号