好きなボクシングを職業にできたのですから、一日でも長くやりたいと思っています(※イメージ)
好きなボクシングを職業にできたのですから、一日でも長くやりたいと思っています(※イメージ)

 世界ボクシング協会(WBA)スーパーフェザー級王者の内山高志の11度目の防衛戦が大みそかに決まった。8割超のKO率を誇り、日本ボクシング界のエースとされる男も36歳。限界への挑戦が続いている。

「着実に勝ち続け、具志堅用高さんの日本記録の13防衛を抜きたいです」

 本誌のインタビューに控えめながら、そう答えた。

 拓殖大学時代、補欠部員として荷物運び係に甘んじた。その屈辱をバネに全日本選手権で優勝。卒業後、約2年のサラリーマン生活を経て25歳でデビューした遅咲きの男だ。14戦全勝で世界タイトルを手にしたときは30歳だった。

「3ラウンド勝負のアマと違い、プロは長丁場。25歳から順応するのは難しく、努力と研究心のたまものだと思う」(アマ関係者)

 前回の防衛戦は2ラウンドTKOの圧勝だった。内山の世界戦を放送しているテレビ東京の伴田昭典プロデューサーはこう話す。

「一般的には判定までもつれたほうが視聴率を取れるが、彼の場合はファンも強打を期待する。KOでも十分、数字が取れます」

 所属するワタナベジムの渡辺均会長の鼻息も荒い。

「次もいい内容で勝ってくれるでしょう。具志堅の記録を抜かせてみせますよ」

 ただ、利き腕の右拳は自身のパンチ力に耐えきれず、3度目の防衛戦では甲を脱臼。今年5月には、左ひじの遊離軟骨除去手術を受けている。

 先のアマ関係者は加齢を心配して言う。

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