──どうしたら希望が見えるのでしょうか。

藤田:私が思うのは、若者と高齢者は断絶が激しくて、まず同じ世帯に高齢者が住んでいないし、感情を通わせる機会がないし、こうして上の世代の方に教えを請うこともない。対立している場合じゃなくて、若者ももっと高齢者の話を聞くべき。そこで通じるものが必ずあるはずです。

五木:仕組みの問題でいうと、一定以上の収入がある高齢者は年金を受け取らないなど線引きをすべきだと思いますね。

藤田:それを大きい声で言っていただきたいです。権利なので、僕らからあまり強くは言えないですから。

五木:例えば年金を返上している人は、何かの形できちんと認めてあげるとか、高額の収入を得ているのに年金をもらっている人が自主的に辞退することが必要なんじゃないかと思いますね。キリスト教の国では、困っている誰かに寄付するといったことが義務としてありますし、日本にももっと寄付文化が広がるべきでしょう。

藤田:社会はこのままじゃ維持できないということを理解することが必要です。それとあわせて、教育も大事にしていかなくちゃいけない。日本人はもっと海外へ行くべきだと思います。日本人ほど働くことを厭わない人種はいない。島国根性から少し抜け出して、語学ももっと勉強して、海外へ人を輸出していけば、もっとジャパンブランドみたいなものが確立できると思うんです。

週刊朝日 2015年11月20日号より抜粋