「体のサイズとパワーで劣る日本選手を猛練習で鍛えて俊敏さや粘りという長所を伸ばし、速さと運動量で勝負した“ジャパンウェイ”は他競技でも生かせる発想です。さらに、居心地がいいと能力を発揮できないとの考えで、選手にあえて厳しく接して緊張感を持たせ、最高のパフォーマンスを引き出した。日本人にはできない日本人向けの指導をした、と言われています」

 ただ、エディーHCは今月で日本を去る。睡眠時間が平均3、4時間と言われたほど日本代表の強化に打ち込んだ。熱心さゆえに日本ラグビー協会と対立することも多かったようで、W杯開幕前から退任が決まっていたのだ。

「ハリル監督は毎日のようにサッカー協会に顔を出してスポーツ紙に何が書いてあるか訳させるので、ラグビーの躍進がどう報じられてるか知ってるはず。エディーのことは意識していたと思いますよ(笑)」(前出のデスク)

 ラグビーは惜しい人を手放した。

AERA  2015年10月30日号