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 ずっと、“映画女優”に憧れていた常盤貴子さん。20代の前半、出演したドラマが次々にヒットし、“連ドラの女王”と呼ばれていた頃、ふと、「このままでは空っぽになってしまう」と思った。俳優を辞めることも覚悟の上で、「映画がやりたいです」と、事務所の社長に直談判した。「誰とやりたいんだ」と聞かれ、香港映画が大好きだった彼女は、「レスリー・チャンさん」と答えた。憧れの人だった。

「何でも言ってみるものですね(笑)。それがきっかけで、本当に、『もういちど逢いたくて~星月童話』という映画で共演することができて、そのときレスリーから“映画とは何か”“映画人とはどうあるべきか”とか、そういった映画製作の核になる部分を教わった気がします」

 でも、何より衝撃だったのは、映画を愛する人たちの面白さだった。

「誰もがその作品を愛して、後世に残るものを作ろうと切磋琢磨している。それは、日本の映画でも同じでした。最近特に思うんですが、すべてのことは縁あって動いているんですよね。だから、後先のことや損得を考えて躊躇(ちゅうちょ)するより、面白いと思ったら、何でも飛びつける自分でありたいと思っています」

 昨年、大林宣彦監督の映画「野のなななのか」で主演した。今月公開の映画「向日葵の丘 1983年・夏」に出演を決めたのも、台本に、大林組のスタッフが7人、名を連ねていたことが決め手になった。

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