「終活じゃない」ピーター、3つの自宅を1軒にして得た余裕 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「終活じゃない」ピーター、3つの自宅を1軒にして得た余裕

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 7月5日に開催されたプラチナエイジ授賞式。輝きを放つ60歳以上に贈られるこのイベントで、ベストプラチナエイジストを受賞したピーターさん(62)。コンパクトな家へ住み替える「ダウンサイジング」(DS)の経験を話した。

*  *  *
 若いときは、気ままに生きたいという思いのほうが強かったので、家を買うとか、あんまり考えなかった。それが、なぜか40歳で熱海(静岡県)に自宅を構えた。お酒を飲まない私にとって、これが贅沢というか、私なりのお金の使い方だったんです。その後、52歳で葉山(神奈川県)にも家を建てました。

 熱海や葉山に家を建てたのは、幼いときに育った鹿児島での原体験があったから。海の見える家に住みたかったんです。海、いいですよね。寄せる波も、雲も、空も、1秒ごとに違う。同じ景色なんてなくて、まったく見飽きないです。

 父から譲り受けた高輪(東京都港区)を含め、三つの自宅は私にとってかけがえのないものでした。3軒の家にその時々の都合で住んで。1カ所にじっとしていられない性分だから、そんな暮らしが合っていたんでしょう。

 でも、そんななか、モノを持つことに疑問を覚える出来事が起こった。3.11の東日本大震災です。震災の映像を目の当たりにし、また震災後に強く生きておられる被災者の方を思うと、モノを所有していることがむなしく、自分が嫌になったんです。それで家を整理しようと決めました。熱海の家は3年前、高輪の家は今年5月に、父の知り合いなどに譲りました。

 DSをしたら、物理的にも精神的にも余裕が生まれました。空っぽになったタンスの引き出しに、ほかの引き出しのものを半分入れる。ぎゅうぎゅう詰めじゃなくなった分、取り出すのが楽になる。そんな物理的な余裕と、好きなモノだけ残して暮らすという心の余裕。それは大きな気付きでしたね。

 そうそう、これだけは言わせてほしい。テレビで家を処分したことを話したら、インターネットに「終活」って書かれちゃったんです。でも、それは違う。だって、これは終わりじゃなくて、始まりだから。

 実際、DSして身軽になった分、いろんなことをやりたいという気持ちがどんどん強まっている。キャンピングカーで全国を回りたいし、語学留学もしたい。葉山も終の棲家じゃなく、今度はシニア向けの分譲マンションにDSしようかな、とかいろいろ考える。

 DSに躊躇する人もいると思いますが、これは次へのステップ。住み替えるという大きなことはできなくても、引き出しを整理するとか、そういうことなら始められる。気持ちに余裕が生まれますよ。

週刊朝日 2015年7月24日号


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