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 静脈の「弁」が壊れることで血管内を血液が逆流し、足の血管がこぶのようにふくらむ「下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)」。2014年にレーザーと高周波、二つの新たな治療法が保険適用となり、これらの治療で術後の痛みや皮下出血が大幅に軽減された。

 東京都在住の元教諭、田崎和雄さん(仮名・75歳)は、40代のころから「足がだるい」「少し歩くとすぐに疲れる」「歩きにくい」などの症状があった。太ももに浮き出ている血管のこぶが原因とは知っていたが、受診は気が進まなかった。しかし症状が一向に改善しないため、14年5月に思い切って、下肢静脈瘤の治療を専門にしている四谷・血管クリニックを訪れた。

 下肢静脈瘤とは、血液の逆流を防ぐ血管の「弁」が壊れることで、逆流した血液が吹きだまりのようになり、血管がこぶ状にふくらむ病気だ。女性に多く、とくに立ち仕事をする人、妊娠・出産経験者、40代以降の中高年に多い特徴がある。

 妊娠中はホルモンの影響で血管が広がりやすくなること、血流量が増えること、大きくなった子宮で静脈が圧迫されることなどが要因となり、妊娠や出産を機に20~30代で発症することも珍しくない。ほかにも、遺伝的な要因、老化などで起こることもある。また最近では男性で、とくに脂質異常症や高血圧など生活習慣病のある人の受診が増えていると、同クリニック院長の保坂純郎医師は指摘する。

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