最終日も地元入りするドブ板選挙でかろうじて勝った小沢一郎・生活の党代表(72=岩手4区)。

 投開票日は党本部の会見にも現れず、得意の雲隠れ。記者団から「説明責任を果たせていない」とブーイングが上がった。

 今回、生活の党で当選したのは小沢氏と玉城デニー氏(55=沖縄3区)のみ。 比例で議席は取れず、小沢ガールズと呼ばれた森ゆうこ氏(58=新潟5区)や青木愛氏(49=東京12区)らもあえなく落選した。

 青木氏の応援に駆け付けた小沢氏が「私と同じで口下手ですが誠心誠意仕事をする政治家。国政には青木くんが必要だ」と訴えると、感極まり涙を浮かべた青木氏だったが、落選会見ではサバサバしていた。

 対照的に民主党に戻った鈴木克昌氏(71=愛知14区)、維新に移った太田和美氏(35=千葉8区)、松木謙公氏(55=北海道2区)ら今回、小沢氏を見限った側近らは当選している。参議院と合わせて生活の党に所属する国会議員は、現在4人。国会議員が5人以上という政党要件を満たさないため、政党助成金を得られない危機に。そこで、小沢氏は選挙前からある秘策を練っているという。

「それは、無所属で当選した亀井静香氏(78=広島6区)との新党結成です。亀井氏は前回の衆院選で、日本未来の党で出馬し、小沢氏とタッグを組みましたが、惨敗し、党は分裂。亀井氏は無所属となり、小沢氏と袂を分かちました。何としても政党にしたい小沢サイドは必死で秋波を送っています」(生活の党関係者)

 自民党の元重鎮で広島では圧倒的な強さを誇る亀井氏だけに、13回目の当選も危なげなく決めた。

「演歌歌手の藤あや子や女優の三田佳子らが応援に駆け付け、美熟女たちの援護で、なんとか逃げ切った。対抗馬の自民党の小島敏文氏は公明党から推薦を得られず、票を伸ばせなかった」(後援会幹部)

 万歳の後、亀井氏に小沢氏との新党結成の可能性について直撃すると、ムッとした表情でこう一喝した。

「何を言っておるんだ! 俺のしゃべったこと、聞いてないのか。どこの社だ」

 週刊朝日でした。

週刊朝日 2014年12月26日号