室井佑月 政治とカネ問題に「搾り取った金を、適当に使うんじゃないよ!」 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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室井佑月 政治とカネ問題に「搾り取った金を、適当に使うんじゃないよ!」

連載「しがみつく女」

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 作家の室井佑月氏は、相次ぐ政治資金の問題について呆れ果ててものも言えないとこういう。

*  *  * 
 政治と金。うちわ、ベビー用品、SMバーだって。たしかに、トホホな感じだ。

 あんたの顔が入ったうちわなんて誰もいらネ。政治資金収支報告書は家計簿じゃネ。SMバー……絶句。

 彼女彼らはほかにもっと問題があるけれど、テレビを観ていると、これらにスポットが当てられておる。そして、評論家の方々が、

「こんなつまんないことで騒いでも。この国には、もっと議論しなきゃいけない問題が山積みなのに」

 てなことを眉間に皺(しわ)を寄せコメントする。こんなちまちましたことで騒いでいると国民のためにならないよ、ってないいっぷりだ。

 うちら国民は、国会の審議がストップしてしまってもべつにいいけど。政府が今国会で決めてしまいたいことは、消費税増税や特定秘密保護法の施行、ろくでもないことばっかりだもの。

 それに、そんなに議論しなきゃいけないことが山積みならば、ずうっと国会開いていればいいじゃん。あたしたちはそれでいい。なんでそういう話にならないの。

 まあ、そういう発言をするのが役目で出て来る評論家なんだから、多少嘘こかれても、もう驚くまい。あたしが驚くのは、テレビに出て来る街頭インタビューの一般人だ。

 なぜか、彼ら彼女らも、

「くだらない。ほかにやることがあるだろう」

 となってしまう。

 少し落ちてきたとはいえ、未だに政権支持率が50%ほどある。この国の過半数が、政治家とその親族、高級官僚とその親族、大企業にお勤めの方とその家族、ってなわけじゃあるまいし。

 安倍政権が進めていることといえば、消費税増税、残業代ゼロ制度、労働時間の規制緩和、増えつづける社会保障費&下がるサービスだぞ。国をあげての貧困ビジネスじゃんね。

 前述の話に戻るけど、政治家たちが不正使用したのは我々から搾り取った税金である。自営業者が会社の領収書をきって家族と御飯を食べにいったのと、一緒にしてはいけないと思う。サラリーマンが会社の領収書をきってデートしたのと。両方悪だけど、その質はまるで違う。

 しかし、いっくら叱られても彼らは税金をちっとも大切に使おうとしないわな。

 きっと彼らの1万円と、我々の1万円ではその価値が違うからか。収入の桁が違うんだからそうだろう。我々、ないところから搾り取った金を、適当に使うんじゃないよ!

 と怒っていたら、10月27日付の日刊ゲンダイに、「政権2トップ政治資金で夜な夜な豪遊/安倍『キャバクラ』に127万円/麻生『元愛人』に1805万円」と載っていた。お口、あんぐり。

 この国は金と地盤があれば選挙に当選するからマズいんじゃないのかな。トップはボンボンばかりで、想像力って能力もなく、下々の生活を知る努力をする気もないんだから。選挙に金がかからないようにしたら、能力と志の高い我々の代弁者が現れてくれるのかしら。早よ、現れて。

週刊朝日 2014年11月14日号


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室井佑月

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中。

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