姫路城に富士山、ヘリ…すべて自作する破天荒な男たちの趣味 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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姫路城に富士山、ヘリ…すべて自作する破天荒な男たちの趣味

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一人でこつこつ19年 国宝・姫路城を完全再現総額:約1800万円井村裕保さん(76) 三重県伊勢市(撮影/写真部・工藤隆太郎)

一人でこつこつ19年 国宝・姫路城を完全再現
総額:約1800万円

井村裕保さん(76) 三重県伊勢市(撮影/写真部・工藤隆太郎)

息子に富士男と命名 富士山に魅せられて総額:約700万円佐藤正男さん(69) 福島県田村市(撮影/写真部・松永卓也)

息子に富士男と命名 富士山に魅せられて
総額:約700万円

佐藤正男さん(69) 福島県田村市(撮影/写真部・松永卓也)

「趣味」なんて狭い枠にとどまらず、もはやライフワークとして一つのことに邁進し続ける男たちがいる。そこには、破天荒な男たちの生き様が刻まれている。

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 約1800万円、一人でこつこつ19年かけて国宝・姫路城を完全再現したのは、井村裕保さん(76)。

 中学2年生の時、雑誌で見た美しい城の写真と付録の模型に感動。「大人になったらもっと大きいものを作りたい」──。47歳で夢を実行に移す。近くに民家や電信柱がなく、山が見えるという条件を満たした土地を3年かけて探し、19年の歳月を経て、23分の1スケールの、築城当時の姫路城を再現。「特に後半は取り憑かれたようだった。これを作るために生まれてきたのかも」と井村さん。特に意識はしていなかったが、偶然にも本物とほぼ同じ方位で建てていた。

 富士山に魅せられて息子を富士男と命名した佐藤正男さん(69)は、約700万円かけ自宅に富士山を再現した。

 静岡で働いていた40代の頃、富士山の美しさに魅了された。地元の福島に戻ってきた時、自宅の庭に富士山がある夢を見た。ダンプカー130台分の土を庭に運び込み、富士山“作り”に挑む。家族は大反対したが、その後、妻が諦めて協力してくれるようになった。富士山の前に池(河口湖)も作り、逆さ富士も楽しめる。なだらかで美しい稜線の再現に苦労を重ね、現在の富士山は6代目。息子の名は富士男、車のナンバーは37―76。富士山愛に満ちている。

 究極のプラモデル好きで「プラモデルを1/1でつくる会」代表大橋保彦さん(35)はドイツの空挺戦闘車「ヴィーゼルII」を、実物大で部品から自作した。仕事柄、溶接技術を持つが、いつしか自動車設計や塗装などのプロが集まってチーム体制に。履帯(キャタピラ)のパッドは、本物の戦車部品を作る会社がまさかの全面協力。「これはおもちゃじゃなくて“作品”。仲間のおかげで完成できた」。「機動戦士ガンダム」シリーズのジープを作ったこともあり、映画とアニメーションのギャラリー「アートサロン和錆」(名古屋市)で常設展示。

 15インチゲージの電化路線で、総延長150メートルの「桜谷軽便鉄道 南山線」を作ったのは持元節夫さん(87)。幼少期から鉄道模型好きな持元さんが、鉄道用レールを扱う会社の存在を知り、本物の線路を自宅の庭に敷いたのが始まり。やがて近くに約300坪の土地を買って移転。毎月第1日曜に無料の運転会を開催、大人から子供まで大盛況だ。鍋の柄のブレーキや、蚊取り線香缶のヘッドランプなど、手作りのアイデアが随所に光る。「自分で作って走らせるのが好き。やりがいがあり、体力も維持できる」

 15歳から工作機械加工に携わり、設計、強度計算、金属加工など何役もこなせる三浦多津治さん(72)は、その技術と経験をフル活用する自作ヘリがライフワークに。「金じゃない。人ができないことをやりたい」と、自身の工場(神奈川県相模原市)でこつこつと作り続け、今は6機目。エンジンはスバル・レオーネのものをチューンアップして搭載。作る方が楽しいという三浦さんだが、操縦も行う。「自分が自信を持って作ってるんだから、一番信頼できるに決まってるだろ」

週刊朝日  2014年10月17日号


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