バカバカしい台詞をカッコよく言う「島本メソッド」とは? (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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バカバカしい台詞をカッコよく言う「島本メソッド」とは?

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週刊朝日#ドラマ

 ドラマ評論家の成馬零一氏は、1980年代のオタクたちを描いたドラマ『アオイホノオ』を評論する。

*  *  *
 1980年。一人の天才が大阪芸術大学に入学します。名前は庵野秀明。のちに社会現象となった大ヒットアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』を作ることになるアニメ監督です。

 そんな庵野と同じ時代に同大に入学した島本和彦が、当時の青春を描いた自伝的少年漫画『アオイホノオ』が、テレビ東京の「ドラマ24」枠でドラマ化されました。主人公は島本自身がモデルといわれている、庵野の才能に嫉妬と羨望のまなざしを送る男・焔モユル。

 監督は『勇者ヨシヒコ』シリーズなどを手がける福田雄一です。

 先日、福田監督にインタビューをさせていただいたのですが、福田監督は、島本和彦の弟子だと自認しており、自身の創作手法を“島本メソッド”と語っていました。

“島本メソッド”とは、バカバカしい台詞をカッコよく言うことでシリアスな場面をギャグとして見せる手法です。それは焔モユルの描かれ方に強く表れています。

 焔は、いつも真剣ですが、客観的に見ると滑稽で、庵野が授業の課題で描いたパラパラ漫画の出来に敗北感を感じても、

「他人の作品を過大評価できるということは、俺の器がでかい証拠。つまり、まだ俺の方が勝っている可能性大。慌てるな。俺には無限の可能性があるんだ。先走った自己評価で勝手に負ける必要もあるまい」

 と、バカっぽい台詞を実にカッコよく叫びます。そのため、やってることは大真面目なのに、なぜか笑えるという独自のトーンとなるのです。


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