小松菜奈 主演作「渇き。」を「当分観なくていいかな。でも…」 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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小松菜奈 主演作「渇き。」を「当分観なくていいかな。でも…」

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週刊朝日

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村尾国士著/戸澤裕司写真

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「下妻物語」「嫌われ松子の一生」「告白」……。中島哲也監督といえば、その作品ごとに、“この人はいったい誰?”と、観る側をハッとさせるような役者を起用してきた。小松菜奈さんは、中島監督の最新作「渇き。」で、役所広司さん演じる主人公の娘役にオーディションで選ばれた。今作がスクリーンデビューとなる。

「人前で話すのが苦手で、モデルを始めた頃は、ずっとモデルをやっていけたらいいと思っていました。でも、コマーシャルとかで、ムービーを体験してみると、監督によって見える自分が違うことに気づいて。現役高校生のうちに、高校生役を演じてみたいっていう夢ができたんです」

「渇き。」の原作となった深町秋生さんの小説『果てしなき渇き』は、監督自身が、「悪夢のような小説です」と語るほど、登場人物のほとんどに、人間らしい“情”が感じられない。役所さん演じる元刑事の藤島は、娘への愛情がひとかけらも感じられないロクデナシ。小松さん演じる娘・加奈子も、表向きは美しく賢いが、実は親も知らない裏の顔を持っているという謎めいた役だ。

「自分じゃない誰かを演じるって、いろいろ考えられるから、楽しいんです。加奈子は、『殴られることも、殴ることも愛だ』って思ってるんですよ。私なら絶対そんなこと思わないのに(苦笑)。でも、演じるときって、不思議と“ありえないこと”からひとつひとつ自由になっていく感覚があって……。キスシーンも、普通なら役所さんとキスすることなんて、絶対ないじゃないですか(笑)。でも、本番に入ると、緊張しないでできてしまったんです」

 実際の共演シーンは少なかったが、現場にいられるときは、役所さんの芝居をずっと観察していたという。

「休憩中は穏やかで優しいのに、お芝居になると顔つきとか、動きとか、声の感じとか、別人みたいになっちゃうんです。怒りを爆発させるところとかも、どこにそんな感情が隠れていたんだろうって思うくらい」

 ムービーを体験して、映画に出たいという欲が生まれたように、映画を体験して、できれば長く女優を続けていきたいと思うようになった。

「現役高校生のうちに高校生役がやりたいと思ったのは、高校生の、その時期にしかわからない感情があるような気がしたから。普段着ている制服のピチピチ感というか(笑)」

 決して後味のいい作品ではない。彼女自身、激しいバイオレンス描写に、観終わった後、「当分観なくていいかな」と思ったそうだが、「後からジワジワきて(笑)。不思議とすぐまた観たい、って思いました」。

 そうして、この映画を通して、負けず嫌いな自分に気づいた。

「最初、監督がすごく怖い人だと聞いていて、『絶対に負けたくない』って思ってました。落ち込んだとき? 家で、一人で泣きます。一晩泣けばスッキリするんです(笑)」

週刊朝日  2014年7月4日号


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