「潜在能力はダルビッシュに匹敵」話題になった投手 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「潜在能力はダルビッシュに匹敵」話題になった投手

連載「ときどきビーンボール」

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 球界では海外で活躍する投手が話題となっているが、野球解説者の東尾修さんは、日本にも注目のエースがいると言う。

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 久々にいいものを見たな。5月31日のオリックス-巨人戦(京セラドーム)。オリックスの金子千尋と巨人の菅野智之の投げ合いは、これぞエースという意地のぶつかり合いだった。こんな勝負はいつ以来だろうか。田中将大、ダルビッシュ有はメジャーに行ったけど、ちゃんと日本にもエースと言われる投手はいる。延長12回の結末までテレビ中継を見たのも久しぶり。つい引き込まれたよ。

 金子は速球が150キロ出るわけではない。でも下半身から指先への力の伝え方がいい。特に腕が長く見えるよな。それだけ左足にしっかりと体重が乗って、打者に近い位置でボールをリリースしている証拠だ。だから、145キロ前後の球速以上に、打者は速さを感じることになる。

 実は昨年のWBCの選手選考で、最後まで金子の日本代表への招集を検討していた。当初の代表候補選手の中には入れていなかったが、スタッフミーティングでは「潜在能力はダルビッシュに匹敵する」との評価だった。昨年2月5日に山本浩二監督と投手総合コーチの私、そして梨田昌孝野手総合コーチの3人で、オリックスの宮古島キャンプを訪問した。体に不安があり、3月に間に合わないということで最終的に招集を見送ったが、今ではダルビッシュや田中と同じレベルに達しようとしている。

 金子が立つマウンドからは、気迫が伝わってきた。巨人戦では9回までノーヒットに抑えたけれど、味方の援護がなく延長戦になった。9回の裏に回ってきた打席で代打が出されて交代となった時も、金子は悔しそうな表情は一切出さなかった。味方を信じる思い。これぞエース、という立ち居振る舞いだった。

 その思いが、後に続いた投手陣、平野佳寿、佐藤達也、そして決勝ホームランを浴びたが、馬原孝浩まで伝わっていたよ。


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