大学生たちの就職活動が本格化してきた。就活生たちにとっては希望の企業に入社できるかどうか不安が募るもの。企業の採用担当者たちが就活のコツを助言する。

――エントリーシートを見るポイントは?

銀行:マニュアル本にあるような記述ではなく、苦労や喜びなど感情を伴う具体的な経験を自分の言葉で語れば、たとえ表現がつたなくても力強さを感じます。

出版:余白が半分以上あると、入社意欲が欠落していると感じます。ぎっしり書いているか、丁寧に手書きしているかで、本気度が伝わります。誤字、脱字には注意してほしい。

建設:熟考した上で自己PRや志望動機を書いていると、ストーリー性や具体性が伝わってくる。文字が丁寧に書かれていて、体裁が整っていると、志望度の高さがうかがえます。

――面接で、採用したいと思わせる学生とは?

電機:最近はキャリアセンターなどが模擬面接をしているようですが、「練習してきました」という学生は5分もすればわかる。話が上手じゃなくてもいいから、ありのままの自分を飾らずに話してほしい。本人の素が見えてきたら、うちの会社に合うか判断します。

銀行:面接の担当者が、その人に魅力を感じ、「一緒に働きたい」と思うかどうかです。すべての学生が華々しい成功体験を持っているわけではありません。苦労や挫折した経験を正しく受け止め、それをどうやって乗り越えたかが大切。きちんと反省し、学び、失敗を糧にしている人には力強さを感じます。

出版:丸暗記で話すのは魅力がない。丸暗記はバレバレです。自分の頭で考えて話す人には迫力があります。面接のとき、圧倒的な知識を持っていると、「スゴイな」と思います。作家や漫画家の先生に刺激を与える引き出しがたくさんあるのは素晴らしいことです。ただし、いくら知識があっても、近づきがたい感じの人はダメです。むしろ、いじられキャラ、バカキャラのほうが、「お前、わかってないなぁ」と言われながら、先生方や上司に可愛がられます。ずっとバカのままだと困りますが(笑)。

建設:自分でよく考えている学生は面接でも強い。さまざまな角度から質問しても、自分なりの答えを返すことができる。話し方の得手、不得手は関係ない。落ち着いて、自分の言葉で、はっきりと意思を伝えることが大切です。

週刊朝日 2014年2月28日号