
2014サッカーワールドカップ1次リーグ組み合わせ抽選の結果、日本はコロンビアのいるC組に決定した。日本はどこまで勝ち上がることができるのか? サッカージャーナリストの六川亨氏は期待を込めて、初のベスト8進出と予測する。
* * *
その根拠は三つあります。まずは1次リーグの組み合わせです。AからHの8組を比較して、最も予選突破が簡単と思われる幸運なグループに入りました。優勝経験国がいない組は、日本のC組と韓国のH組だけ。本当にラッキーです。
二つ目は、試合会場の気候です。1次リーグ突破のためには初戦のコートジボワール戦での勝利が必要になる。この試合は、ブラジル北東部にあるレシフェで行われます。レシフェの6月の平均気温は30度近くと、高温多湿で知られています。日本の猛暑に慣れた日本代表、とくに国内組には有利に働くでしょう。
さらに、地の利もある。
13年6月、コンフェデ杯での日本対イタリア戦を覚えている人も多いでしょう。あの試合は3対4で敗れましたが、日本は非常に善戦しました。これが行われた場所が、まさにレシフェなのです。
試合後、イタリア代表のプランデッリ監督が「この気候だと選手の足が止まって動けない」と愚痴をこぼしていました。それだけ、欧州で活躍する選手にとって、レシフェの気候は厳しい。ドログバやヤヤ・トゥーレといった、欧州のリーグで活躍するコートジボワールの主力選手に比べ、日本の選手は体調管理がしやすいでしょう。
三つ目の理由は、対戦相手の順番です。コートジボワール戦の後は、ギリシャ、コロンビアと続きます。4チームの中で最も強いコロンビアは、最終戦までに2勝する可能性が高く、日本戦の前に1次リーグ突破を決めているでしょう。となれば、日本戦が消化試合になる可能性がある。強敵と、こうした状況で戦えるのは、幸運です。
※週刊朝日 2014年1月3・10日号