用例採集のために合コンへ 辞書編纂の世界を松田龍平が語る 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)
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用例採集のために合コンへ 辞書編纂の世界を松田龍平が語る

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 2012年の本屋大賞を受賞した『舟を編む』は、「今を生きる辞書」の編纂に携わった、風変わりだけれども懸命な人たちの物語。その映画化にあたり、主人公の馬締を演じた俳優の松田龍平さんは言う。

「最初、辞書づくりのような先の見えない仕事は、とてもではないけれど自分にはできないと思っていました。でも、そもそも言葉は辞書編集部が作るものではない。生活の中で自然に生まれていくものですよね。使わなければ単なる記号に過ぎないけど、人の思いが込められると、生き生きと動き出す。監修の松本先生は、用例採集のために合コンに行くんですよ。“自分はこうだから”と決めつけずに、テリトリーから出ていくところがすごい。普通の人は言葉を探しに出かけたりしないけど、人生は、ある意味、経験を探しにいくことだと思うんです。そう考えてみると、辞書の編纂は誰にとってもそう遠い仕事でもないんじゃないか、と」

「川の底からこんにちは」で、第53回ブルーリボン賞監督賞を歴代最年少で受賞した石井裕也監督とは同い年。馬締の役については、監督と1から100まで話し合いながら作っていった。

「たくさん言葉は知っているのに、うまく気持ちを伝えられない馬締が、下宿先のおばあさんに弱音を吐いて、『ちゃんと言葉で伝えなきゃ』とアドバイスをもらうシーンがあります。それが、翌日、先輩編集者に抱きつくシーンにつながっていくんですが、台本を読んだ時点では、そんな突飛なことを馬締がするのはへンじゃないかって思っていました。でも、撮影になったら自然に演じられたんですよね。モノづくりって、一緒に闘ってくれる人の存在がすごく大切だと思います。人は、一人では闘えませんよね。今回は、1から100まで意見を言い合うことができて、本当に面白い現場でした」

週刊朝日 2013年4月19日号


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