巷では何かと「若返り」が話題となっている昨今。収納コーディネーターの宮城美智子さんが1万人以上の人に家の片付けをアドバイスしたところ、「ため込む」が「老け込む」の一番の要因だと感じたという。宮城さんに若返るための部屋の整理術を聞いた。

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 体にいい食材を食べ、運動などで老廃物を身体の外に出すことに、アンチエイジング効果があることはご存じでしょう。不要な「物」を家の中から「デトックス」するのもそれと同じ。古い考え方がリセットされて、運動にもなるので、心身が健やかになります。

 片付けをすると皆さん、驚くほど若返るんです。

 年齢を重ねると、それまでの人生にかかわる「物」が家の中にあふれてきます。「思い入れがある」「まだ使える」「いつか使うだろう」。皆さんそうおっしゃいます。しかし、「いつか使う」物は「使わない」物。「もったいない」と「大切」は違います。ジャンルごとに、本当に大切な物を1、2点に絞り、ほかは写真に撮るなどして残します。今のあなたに必要なものは「物」ではなく明るく健康的な毎日です。

 お客様用のお布団は2組あれば十分。お洋服や靴、かばんを季節ごとに整理して、服は3年間、靴、かばんは5年間まったく使わなかったものはバザーなどに出品し、お嫁に出してあげましょう。手持ちの本は大切にしている10冊程度に抑え、残りは寄贈や古本屋に売るなどして、身軽になっておきたいですね。

 今は物を捨てるのにお金がかかる時代です。200坪・6LDKの一軒家から1LDKの老人ホームに引っ越した90歳の女性は、持ち物の3分の2を処分するのに60万円(引っ越し代別)かかりました。片付けには時間もかかります。この女性の場合は3カ月。私の母の遺品整理も大変で、毎月のように実家に通って片付けましたが、約1年かかりました。ごみ袋に換算して100袋分くらいのものを処分したと思います。子どもたちに、このような迷惑はかけたくないですよね。

週刊朝日 2013年3月22日号