大橋未歩アナウンサー (c)朝日新聞社 @@写禁
大橋未歩アナウンサー (c)朝日新聞社 @@写禁

 先日、テレビ東京のアナウンサー、大橋未歩さん(34)が脳梗塞を発症したと明らかにして話題になった。脳梗塞を発症した大橋アナは、30代の若さだった。若年者に脳卒中が起こる危険はどれくらいあるのだろうか。

 作家で神経内科医の米山公啓氏は、「若年者の脳梗塞は、数としてはそれほど多いものではない」と前置きした上で、こう話す。

「あくまでも一般論ですが、若くして脳梗塞を発症する場合、次の二つの理由が考えられます。一つは、すでに高血圧や糖尿病、肥満などがある人で、これは動脈硬化による一般的な脳卒中と同じ理屈で発症します。これとは別に、血管の病気や血液の病気、不整脈などがあると、脳梗塞を発症することがあります」。

 一方、脳出血は脳梗塞と比較して、若い世代や働き盛り世代にも起こる可能性があるという。とくに米山氏が重視するのは高血圧による「高血圧性脳出血」だ。「高血圧の原因はよくわかっておらず、体質的な要素もかかわっています。確かに年齢が上がるほど血圧は高くなりますが、だからといって高齢者の病気と思っているとしたら、それは大きな誤りです」

 高血圧の診断基準は、上の血圧(収縮期血圧)が140以上、下の血圧(拡張期血圧)が90以上となっている。該当する場合は、まず生活習慣の改善や減塩、減量などで血圧を下げるように試み、それでも十分に降圧できない場合は、降圧薬での薬物療法が必要だ。

週刊朝日 2013年2月15日号