野田佳彦首相(55)は11月14日の党首討論において、「次期首相」と目される自民党安倍晋三総裁(58)を相手に「16日に解散してもいい」と宣言し、実現した。この解散時期は、選挙後を見据えた深謀遠慮の末に選ばれたのだという。

 大きかったのは公明党との関係だ。これまで公明党は、消費増税関連法案で政権に助け船を出して3党合意に持ち込んだり、8月末の首相問責決議案の採決に欠席したりしていた。

「野田さんは、国会運営で汗をかいてくれた公明党の漆原良夫国対委員長(68)への感謝の言葉をいつも口にしている」(首相周辺)

 公明党は、来年夏の都議選や参院選とのダブル、トリプル選挙だけは絶対回避するよう、水面下で求め続けてきた。今回、年内解散を実現したことで、民公連携の目を残した形だ。ある公明党幹部は「これ以上ないタイミングだ。最高の宰相だ」と絶賛した。

週刊朝日 2012年11月30日号