石原伸晃・自民党前幹事長 (c)朝日新聞社
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石原伸晃・自民党前幹事長 (c)朝日新聞社
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 民自両党の党首選では、悲喜こもごものドラマが生まれた。

 総裁選直後から「ショックで引きこもっているらしい」というウワサが広まったのは自民党の石原伸晃前幹事長(55)。1回目の投票で2位につけ、決選投票では「長老」たちの差配で逆転、というシナリオだったが、まさかの3位で政治生命の危機を迎えた。

「本人は悄然としていました。子供のころからパパ(慎太郎東京都知事)のおぜん立てで、何をやっても負けたことがなかったから、打たれ弱い。長老たちも『こんなに地方票が取れないとは思わなかった』と嘆いたようです」(中堅議員)

 石原氏の大不振は他陣営にとっても想定外だった。総裁選中、メディアがこぞって失言を取り上げたのが致命傷に。安倍陣営の議員は「ネガティブキャンペーンが効きすぎて、思った以上に地方票が石破さんに流れてしまった」と苦笑する。

 石原氏にはこんなトホホな“目撃談”もある。投票前日の9月25日夜、東京・赤坂にあるホテルオークラの中国料理店を訪れた客はこう証言する。

「食事中に近くの席から『石破が…』という話し声が聞こえてきたんです」。声の主はラフな格好でホール席に陣取った石原氏。「個室じゃないのに大声でしゃべるから、会話が丸聞こえ。翌日が総裁選だというのに、何やってんだと思いましたよ」。

 その時点であきらめていたのかもしれないが、パパが知ったら激怒するだろう。

 そのパパも息子の敗北に意気消沈の体。総裁選当日の都議会終了後、記者団に「(安倍氏の勝利は)結構ですね。尖閣に関して言ったとおりのことをやってもらいたい」とのみ発言。翌日から2日間雲隠れした。

週刊朝日 2012年10月12日号