それからの数年間を加藤は「嵐のようだった」と表現する。中国メディアでの言論活動はもちろんのこと、ネゴシエーターとして日本企業と中国企業を結びつけ、数百にのぼるプロジェクトにかかわった。日中の国際会議などで同時通訳の担当もした。

 現在の仕事は、5分の3が中国、残りが日本や「中国以外の海外」というが、仕事をするうえで楽しいのは断然、中国だと即答する。

「やっぱり中国はエネルギッシュですよね。中国で講義をしていると、急に学生がステージに上がってきてマイクを取り上げようとしたり、胸倉をつかんできたり、いろんなサプライズがあります。日本では講義をしても、想定内で終わってしまうからつまらないんですよ。まあ、そこが日本の良さだとも思いますが」

※週刊朝日 2012年5月25日号