(※イメージ)
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 コラムニストの加藤嘉一(28)は「中国でもっとも有名な日本人」と呼ばれている。

 北京を拠点に年間300件以上の取材を受け、200本以上のコラムを執筆、昨年は中国全土の大学100校を回り、学生相手に講義をしたという。その内容は世界情勢から日中関係まで多岐にわたる。引く手あまたの人気ぶりは、中国メディアで「加藤現象」と名付けられるほどだ。彼は、なぜ中国という国を活躍の場として選んだのだろうか。

 2005年4月、中国では反日デモの嵐が吹き荒れていた。当時、北京大学の学生だった加藤は、たまたま香港のテレビ局から「デモ現場に居合わせた日本人留学生」としてコメントを求められた。このとき、中国全土に生放送で流れた発言が注目を浴び、翌日から中国メディアの取材が殺到するようになったのだ。

 一躍人気者となった加藤は、その理由を、

「中国語を話すことができたことはもちろん、中国人が世界からどう見られているのかという『第三者の目』を欲していたからではないか」

 と分析する。

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