社会学者の古市憲寿氏 「フリーランスがそこそこの社会保障を受けられる社会」が望ましい 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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社会学者の古市憲寿氏 「フリーランスがそこそこの社会保障を受けられる社会」が望ましい

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 東京大学大学院総合文化研究科に在籍し、自著で「最近の若者は幸せだ」と主張する社会学者・古市憲寿氏。今の若者は、将来に希望を持つことこそできないものの、質的に恵まれた社会で育ったため、今ここにいる自分と周囲の環境に満足して「幸せ」を感じているという。新進気鋭の社会学者は現在の日本をどう見ているのだろうか。

*  *  *
 今の日本は良くも悪くも「会社の力」が強すぎます。
 たとえば東日本大震災の際、目に見えない放射能という恐怖があるにもかかわらず、「明日も会社があるから」という理由で、夫が自分だけ東京に残り、奥さんや子どもを田舎に逃したという話をよく聞きました。この人たちは、それまで「安定」を求めて属していたはずの会社が、逆に「足かせ」となってしまったのです。
 この「足かせ」は、今の日本社会では簡単に外せません。なぜなら、さまざまな福祉や保障が会社経由で来ているため、会社を辞めてしまうと落ちるところまで落ちてしまう構造になっているからです。
 僕は、会社では働かない、かといってフリーターでもないような「真ん中の領域」がもっと増えればいいと思っています。フリーランスであっても、そこそこの社会保障を受けられるような社会になれば不安は減るし、逆にみんながチャレンジ精神を持てるようになるはずです。
 そして労働形態の"掛け持ち"ができるようになればいい。一つは「稼ぐための仕事」、一つは「好きだから安いお金でもやる仕事」、さらにもう一つは「ボランティア」といった形で、複数の仕事を掛け持ちし、収入を得るような働き方ができたら、経済的にも個々人のメンタリティーにとってもプラスになると思うんですよね。
※週刊朝日 2012年4月27日号


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