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震災で沈んだ日々を変えた1匹の猫

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 多くの国民を不安に陥れた東日本大震災。大きな被害を受けた宮城県仙台市の夏井修子さん(52)もその一人。震災に直面した被災地ということもあり、震災後は気分の沈みがちな日々を送っていた。しかし、そんな生活を一変させたのが、6月から飼い始めたニャンたろうだ。

*  *  *
 ニャンたろうは東京・八王子から電車や新幹線を乗りついでやって来た。

 息子は大学の馬術部に所属している。その馬場にガリガリに痩せて汚れた姿を見せ始めたのが1年以上前のこと。首輪の跡があったようだということから、飼い猫だったのかもしれない。

 前の年、合宿で長期に留守にしたときに姿を消した猫もいたことから、ニャンたろう移送計画が立てられ、昨年6月、わが家にやって来たのだった。

 ノラ生活から一転、幽閉状態になることに、果たして慣れてくれるか心配であった。失敗しても鷹揚に構えて、と臨んだトイレも難なくこなし拍子抜けするうれしい誤算から始まり、家人が何を食べても興味を示さず、自分のドライフードを食べるお行儀のよさ。

 大好きなのはスーパーボールとブラッシング。ボールを追いかけ回して一人楽しく遊ぶが、次々と行方不明にさせてしまう。ブラッシングは逆毛を立てるようにするのが好きで、脊髄から舌に刺激が伝わるのか、ペロペロと恍惚の感で床をなめるのが面白い。

 大震災の後、気分が沈みがちな日々であったが、ニャンたろうのおかげで毎日楽しんでいる。

※週刊朝日 2012年3月16日号


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