1月下旬、南西の低空で金星と土星が大接近します。細い三日月も加わり、美しい光景となるでしょう。月は姿を変えながら夜空を巡り、木星と火星に近付きます。背景に瞬くのは、「冬のダイヤモンド」をはじめとした華やかな冬の星たち。
今回は、注目したい惑星と月の共演についてご紹介します。

【1月22・23日】金星と土星が大接近!23日は三日月の姿も

日の入り後、南西の低空に明るく輝くのは「宵の明星」の金星です。この時期はマイナス3.9等の明るさで、高度が低くてもよく目立ちます。一方、0.9等の土星はやや暗いため、日没後1時間ほど経過してから見やすくなります。

金星と土星が大接近するのは、22日と23日の宵の空。18時過ぎの東京の空では、満月の直径分ほどにまで接近した2惑星の姿を見ることができます。

23日には、新月を過ぎたばかりの月が2惑星の左下に耀き、美しい眺めになるでしょう。低空での現象となるため、視界が開けている場所から観察するのがポイントです。

画像:国立天文台
画像:国立天文台

【1月26日】明るく輝く木星に月が寄り添い、美しい光景に

金星や土星よりも高い位置に輝く木星。26日の宵の頃、南西の空で月齢4から5の月と木星が接近して見えます。強い光を放つ木星と三日月よりも少し太くなった明るい月が、夜空を彩ります。

木星は観察シーズンの後半に入り、22時頃には沈んでしまいます。印象的な月との共演をお見逃しなく!

画像:国立天文台
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【1月31日】「冬のダイヤモンド」を背景に、火星と月が接近

地球最接近から2か月近くが経過した火星ですが、今もマイナス0.3等級の明るさを保ち、耀いています。31日の宵には、火星に上弦を過ぎた月齢10の月が近付いて見えます。背景には冬の一等星6個が形作る「冬のダイヤモンド」が広がり、華やかな眺めとなるでしょう。

赤い火星の近くには、オレンジ色に光るおうし座の一等星「アルデバラン」の姿があり、赤みを帯びた2つの星も目を引きます。

空気が澄みわたる冬は、一年中でもっとも星空が美しく見える季節。惑星と月が繰り広げる、 またとないイベントを楽しみたいですね。

・参考文献
『アストロガイド 星空年鑑 2023』 アストロアーツ
・参考サイト
国立天文台「東京の星空・カレンダー・惑星(2023年1月)」

画像:国立天文台
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