「かっこ面白い古語と俳句の世界」──〈其の十一〉

2019/10/31 17:00

今日で10月も終わり、来月11月8日からは二十四節気の「立冬」に入ります。「立冬」にある「立」の一文字には、新しい季節になるという意味がありますが、その言葉通りいよいよ冬の始まりですね。 今回の俳句の心得は「球を置きにいかない」です。これはご存じの通り、ピッチャーが苦し紛れに投げた甘い球が簡単に打たれてしまうことを意味しています。俳句においても、まず定型から覚えていきますが、いつまでも定型通りの発想では進歩がない。時には変化球や剛速球を投げて、発想を広げる努力をしなさい、と示唆しているのです。 俳句をたしなまなくても、知っているとちょっと得意、おまけにボキャブラリーも増える、そんな古語の世界を少しだけご紹介しましょう。

読めると楽しい古語「て・と・な・に・ぬ 行 名詞編」 これまでご紹介したなかで、同じ文字数でも違う読み方をする古語もいくつかありました。自分の思うことにピッタリの表現を見つけたときこそ古語の楽しみのひとつなのかもしれませんね。 今回は「て・と・な・に・ぬ」の名詞の読み方です。レッツ・チャレンジ! Q1 「蝸牛」  *ヒント:4文字 Q2 「蝶蝶」  *ヒント:4文字 Q3 「帳」   *ヒント:3文字 Q4 「習慣」  *ヒント:4文字 Q5 「生業」  *ヒント:4文字 Q6 「地震」  *ヒント:2文字 Q7 「潦」   *ヒント:5文字 Q8 「鈍色」  *ヒント:4文字 Q9 「鳰」   *ヒント:2文字 Q10 「額」   *ヒント:2文字 答え合わせで古語の意味を覚えよう! 今回はよく使われる古語が多かったですよ。答えと意味は以下の通りです。 A1 「蝸牛」 読み:ででむし 意味:カタツムリ、デンデンムシ。夏の季語 〈蝸牛や青山半蔵幽居の間〉西本一都 A2 「蝶蝶」 読み:てふてふ 意味:ちょうちょう。春の季語 〈てふてふうらからおもてへひらひら〉種田山頭火 A3 「帳」 読み:とばり 意味:室内の仕切、外との仕切りの布。 〈青柚子や帳もあをき懺悔室〉水原秋櫻子 A4 「習慣」 読み:ならわし(ならはし) 意味:しきたり、練習すること。 〈竹皮を脱ぐならはしを見て涼し〉村越化石 A5 「生業」 読み:なりわい(なりはひ) 意味:農業、職業。 〈蔵の香に狎(な)れしなりはひ桃の花〉飯田蛇笏A6 「地震」 読み:ない(なゐ) 意味:じしん。 〈赤土のなゐの国またゆれるなり〉三橋敏雄 A7 「潦」 読み:にわたずみ(にはたずみ) 意味:水たまり。 〈松の花きのふはここに潦〉山口誓子 A8 「鈍色」 読み:にびいろ 意味:濃いねずみ色。 〈鈍色の振つて涼しき鬼の鈴〉山田みづえ A9 「鳰」 読み:にお(にほ) 意味:水鳥のかいつぶり。冬の季語。 〈鳰沈みわれも何かを失ひし〉中村汀女 A10 「額」 読み:ぬか 意味:ひたい。 〈点眼に額みどりめくクリスマス〉秋元不死男 参照:『俳句のための古語辞典』学習研究社/『広辞苑』/『合本俳句歳時記/『俳句開眼100の名句』ひらのこぼ・著 草思社)
日本では、商談やアポイントメントの初めに名刺交換するのが通例ですね
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言葉は自由である 今回は、聞いたことがあるけど漢字ではこう書く、あるいは知っている漢字の知らない読み方が多く出てきましたね。 古語は言葉選びの選択肢のひとつです。こう使わなければならない……というものではありません。その時の心情や内容に応じて自由に使えるのが古語なのです。 「かっこよくて面白い古語」、日常でもぜひ使ってみてくださいね。
潦(にわたずみ)
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