山の天気は命に関わる。だから信頼できる存在が必要〜会社員が挑むエベレスト ③ 〈tenki.jp〉|AERA dot. (アエラドット)

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山の天気は命に関わる。だから信頼できる存在が必要〜会社員が挑むエベレスト ③

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エベレスト登山に着用予定のダウンスーツを掲げる前山さん(左) こだわりのピッケルを持つ上山さん(右)

エベレスト登山に着用予定のダウンスーツを掲げる前山さん(左) こだわりのピッケルを持つ上山さん(右)

西天狗岳山頂にて。上山さん(後列左)と前山さん(後列右)

西天狗岳山頂にて。上山さん(後列左)と前山さん(後列右)

「1日の予定なのに万一に備えて3日分の行動食を持っていってしまう」と前山さん

「1日の予定なのに万一に備えて3日分の行動食を持っていってしまう」と前山さん

エベレストに限らず、登山では天気・天候が大きく関与してきます。ひとつ読みを間違えば命にも関わってくる、大切な要素です。DACグループ「セブンサミッツプロジェクト」のお2人は、どんな天気判断をしているのか、さらに、大切にしていることやこだわっていることにまで話が及んで……。連載インタビュー、最終回をお届けします。左:前山 敏行 (まえやま・としゆき) 59歳
株式会社DACホールディングス 常務取締役
・2014年8月、ヨーロッパ大陸最高峰エルブルス(5,642m)登頂
・2017年4月、世界最高峰エベレスト ノースコル(7,020m)到達
右:上山 弘平 (かみやま・こうへい) 36歳
株式会社デイリースポーツ案内広告社 部長代理
・2013年2月、南米大陸最高峰アコンカグア(6,962m)登頂
・2017年4月、世界最高峰エベレスト ノースコル(7,020m)到達

天候判断もガイドさんの指示に従うのが大原則

──登山と天気は、切っても切れない関係ですが、皆さん山ではどのように判断なさっていますか。
上山:天気図はまだ読めないので、ガイドさんと行くときは彼らの判断に任せています。
前山:登る前、ガイドさんとは天気について話しますね。明日はこんな天気だから今日ここまでやっちゃおうとか、明日は午後晴れるので6時出発を5時にしようとか。ガイドさんは必ず参加者に説明して、その指示に従うのが大原則です。以前、強行スケジュールでトレーニングした時があって、山小屋へ着いたら『こんな天気で登ってきたの?!』とびっくりされたことがあります。そこはガイドさんを信じてたんで。次の日はガイドさんの判断で中止にしました。
──ガイドさんは、空を見て天気を判断することにも長けているんでしょうね。
前山:ここにこういう雲があって何時間後にどうなるかの兆候とか、晴れてても雲の動きでどうなるとか、途中途中で教えてくれますね。経験に基づいた予測なんです。
上山:一人の時は、天気予報のアプリに頼ってます。

天気以外にも使える「tenki.jp登山天気」アプリ

──「tenki.jp登山天気」アプリは使っていらっしゃいますか?
上山:出発前によく見てます。山頂の風速なんかもわかるのがいいですね。天気情報はもちろん、山の情報も出てるので参考になります。
前山:山ごとの難易度が出ていて参考になります。基本情報が充実してますよね。読むコンテンツもあるし。
上山:『山ガイド』というページには三百名山まで入ってますよね。いろいろな山の情報が見られるんで、読み物としても面白いと思います。
前山:エリアごとに出ているし、難易度もわかるし、使いやすいと思います。基本情報として採り入れてます。
──他にも、こういうITを登山に活かすことはありますか。
上山:『ヤマレコ』はよく参考にしますね。実際に登った人がレポートして途中の写真も上げるんですが、GPSデータが付いていてマップ上にその場所を示してくれる。明日行きたい山に今日登っている人がいたりもするんで、最新の情報がわかるんです。ここからここまで何時間で行くとか、ここはちょっと気をつけてとか。これが今の時代の登山かなと思います。みんなで情報の共有をしている。
前山:うちは妻が心配して、明日登る山の情報をネットで調べてくれます。自分よりも熱心に(笑)。ノースコルに行った時は、『お父さんこんな所に行ったのね』と全部知ってましたよ。登山者の目線ではなく、家族目線で書いているサイトの記事もいいですね。
──地図アプリなども使っていますか?
上山:さっきのヤマレコがその代わりでしょうか。迷子になったっぽいなという時は紙の地図とコンパスを使ったりもします。
前山:ただ、IT機器は寒いところだと充電切れが心配だし、高所で使っている余裕があるかどうか。単独行の時はちゃんと自分で地図が読めて、ができないと危険かもしれません。

楽しみと安全を託す、ギアへのこだわり

──登山にあたって、ご自分ならではのこだわりはありますか。
上山:私は毎回テーマを設けて登山しています。道具をめちゃくちゃ軽量化して何グラム単位で測ってみたり、山メシにはまった時はいろんなクッカーを持って行って料理を楽しんでみたり。重くなっちゃいますけどね(笑)。ギアマニアなんで、同じ容量のザックを用途別に揃えたりしてます。
前山:ギアだと、より安全な気がしてつい高いものを買ってしまう。ガイドさんに服や手袋はどうだとか素材の通気性はこうだとか話を聞いて、荷物が増えて妻に叱られます(笑)。エベレストでしか使わないものは会社で揃えてくれますがね。
上山:お金を惜しんで成功の確率が下がるのはいやですし、命にも関わってきますから。
前山:登山を成功させるには、無理のない計画と準備だと思います。服も装備も、最悪の事態に備えて行かなければ。軽装で事故になるより、準備できることはする。ついリュックがパンパンになっちゃいますが(笑)。
上山:最近では女性の登山者も増えて、ギアの種類も豊富になってきましたよね。街コンの山バージョンで山コンも最近ありますが、うちの会社でも企画・運営しています。こういったきっかけで山を好きになってくれる人が増えればいいと思います。
前山:初心者から、同じくらいのレベルの人たちで登っていければ楽しいですね。『山好きに悪い人はいない』と、これは書いておいてくださいね(笑)。
──はい、書かせていただきます。エベレスト登頂、ぜひ成功されることを祈っています。


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