今年は首都圏も大雪に見舞われるなど、全国各地で雪害が相次いでいます。まだまだ冬の寒さは続きますが、悪天候の中でも交通ルールはしっかり守らなければいけません。車をふだんから運転している人にとって道路交通法は頭に入っていることでしょうが、調べてみると意外と知られていないような規則もちらほら見受けられます。
知らずにルール違反を犯してしまうという事態は避けたいところ。自動車に乗る人だけでなく、自転車ユーザー、歩行者も知っておきたい道路交通法(以降、道交法)のいくつかを紹介します。今回は〈自動車編〉です。

道交法を守って安全運転を心がけましょう
道交法を守って安全運転を心がけましょう

クラクションン(ホーン)は、警告以外のシーンで鳴らしてはいけない!?

前を走る自動車が遅かったり、歩行者が急に飛び出してきたとき、思わずクラクション(ホーン)を鳴らしてしまうという人も多いことでしょう。ですが、クラクションは道交法では「警音器」という記載がされています。警告を知らせるために鳴らすものということで、「むやみやたらにクラクションを鳴らしてはいけない」という法律があるのです。
クラクションを鳴らしてよい場所は…
・左右の見とおしのきかない交差点、道路の曲がり角など
・道路標識で警音を鳴らすよう指定された場所
・危険を防止するためやむを得ない場合
と定められています。
上記のケースでないときは、警音器を鳴らしてはいけないことが道交法で定められています。「危険を防止する」といった判断がひじょうに難しいところではありますが、あまり煽らないほうがよいといえるでしょう。また、相手へのお礼の意味でクラクションを鳴らすことも、実は道交法違反にあたるのです。緊急時に鳴らすものという意識づけが大事ですね。
ちなみに、クラクション【klaxon】は、製造会社名クラクソンに由来し、電磁石の作用で鳴らす自動車などの警笛を指します。別名クラクソンとも言いますが、英語ではホーン(horn)です。

クラクションン(ホーン)は緊急時に使います
クラクションン(ホーン)は緊急時に使います

T字路の「T」、実は「T」ではなく「丁」が正しい!?

道を説明するとき、アルファベットの「T」の字)のような形で枝分かれしている交差点を指す場合、「4つめ信号のT字路を右に曲がって……」などと私たちは何気なく使っていますね。でも実は、「T字路」という名称は正式なものではなかったのです。
日本の法律上の正式な用語では、「T字路(ティーじろ)」ではなく、漢字を用いて「丁字路(ていじろ)」とされているのです古い小説では「丁字路」の表現は普通に使われていたようで、年配の方にとっては「丁字路」が一般的なようですが、若い世代では「T字路」が多く使われているようですね。
ただ、最近では「T字路」の呼び名が定着しており、放送の現場でも「T字路」と伝えるケースが多くなっていますが、NHKの見解では「丁字路(ていじろ)」「T字路(ティーじろ)」のいずれを用いてもよい、とされているようです。
す。本来であればマスメディアは法律用語に沿って紹介するのが基本なのでしょうが、一般の人にとっては「T字路」が当たり前になっているためか、「丁字路」という正式名称の存在は、だんだんと薄れていってしまっているようです。

前方に「T形」道路交差点があることを示す道路標識
前方に「T形」道路交差点があることを示す道路標識

雪の日の運転ルールは、都道府県によって違う!?

実は雪の日の運転に関する規定は、各都道府県の公安委員会が制定した施行細則に基づくことになっています。そのため都道府県によって、少しずつその内容が異なるのです。
例えば、豪雪地域である新潟県の場合は、自動車または原動機付き自転車のいずれも全車輪にチェーンまたは滑り止めの措置をすることが義務づけられています。その一方で、雪がほとんど降らない鹿児島県の場合、自動車にはチェーンまたは滑り止めの措置をしなければいけませんが、原動機付き自転車については対象から除外されています。
やはり、雪が多い都道府県においては安全を期するため、規定も厳しくなっているようですね。ただ、ふだん雪に慣れていない土地の人ほど、雪が降ったときの運転は慎重にしなければいけませんね。ちなみに沖縄県は唯一、雪に関する交通規定が定められていない都道府県です。
── 知っているようで知らない道交法もあったのではないでしょうか? 交通ルールを正しく守って、すべての人にとって安全な環境をつくり出したいものですね。雪深い地域の方は、ぐれぐれも運転にご注意くださいね!

雪の日に備えてタイヤの準備をしていますか?
雪の日に備えてタイヤの準備をしていますか?