さあ、今日からゴールデンウィークです! 出国される方もたくさんいらっしゃるようですが、なかでも北陸新幹線の開通以来、ぐっと身近になったことで、北陸方面に行かれる方も急増しているよう。そして、北陸の海・富山湾の「春の風物詩」といえば、そう蜃気楼とホタルイカですね。
海の遙か向こうの景色が、長く伸びたり反転したりして見える「蜃気楼」。
海岸が発光するホタルイカで幻想的な美しさをみせる「ホタルイカの身投げ」。
── 地元の方でも滅多にお目にかかれない、この時季特有の美しくて不思議な自然現象をご紹介しましょう。

魚津市から見える、大規模な蜃気楼
魚津市から見える、大規模な蜃気楼

風や気温で刻々と姿を変える蜃気楼/魚津の朝市(富山県魚津市)

富山県魚津市周辺の富山湾に出現する蜃気楼。だいたい4月〜7月の間に見られます。出現回数はその年によって違いますが、昨年は24回、一昨年は22回も蜃気楼が出現しました。といっても、肉眼で確認できるものは、ほんのわずか。そのくらい、珍しい現象なのです。
春に見られるのは上位蜃気楼といわれるもので、水平線より上の方向に風景が伸びたり、反転したりして見えます。
こうした虚像は、光の屈折による自然現象で、気温や風などの条件が合致したときに、はじめて生まれます。そして時間や気温、風によって刻々と姿を変えていきます。そのため、同じ蜃気楼は二度と見られないともいわれるほど。これは貴重ですね。
お出かけの際は、魚津の観光スポットに立ち寄ってみては。なかでもおすすめは……、
魚津の朝市
魚津に来たら、ぜひ味わいたいのが新鮮な海の幸。「魚津の朝市」には新鮮でおいしい魚や野菜が所狭しと販売され、地元の人はもちろん観光客の胃袋を満たしてくれるイベントも多数開催! 同時に「海の駅 蜃気楼」もチェック!
■住所:富山県魚津市釈迦堂1-12-18 ■営業時間:6:30 ~ 10:30
■交通:北陸自動車道魚津ICより車で約7分(車)、最寄り駅は 電鉄魚津「新魚津駅」
■問い合わせ先:0765-22-1200 ■定休日:第2・第4日曜日

魚津湾から臨む夕景
魚津湾から臨む夕景

光の屈折を生む寒暖差が条件/魚津水族館(富山県魚津市)

ではなぜ、光の屈折で蜃気楼が発生するのでしょうか。
普通、空気の温度はある程度一定なので、光は直進して、私たちの目に届きます。ところが、空気中の温度の高低差が激しいと、光は空気の冷たい方へと屈折してカーブを描きます。すると、ちょうどレンズの効果で光が曲がるように、風景が伸びたり反転したりして見えるわけです。
富山湾には立山連峰の雪解け水が流れ込むため、春でも海水が冷たく、周辺の空気も冷えています。しかし上空の空気に暖かさがあると、上下の温度差が大きくなります。つまり朝が寒くて日中が暖かいと、蜃気楼が出現する可能性が高くなります。
蜃気楼が出現するのは11時〜16時ごろ。ぜひ、寒暖差の激しい日を狙ってみてはいかがでしょう。
さらに県内で唯一、富山県の急流にすむ淡水魚から、日本海の沿岸、沖合、深海生物を展示している魚津市の水族館もチェック!
魚津水族館
■住所:富山県魚津市三ケ139 ■営業時間:9:00~17:00(入館は〜16:30)■休業日:年末年始
■交通:JR「魚津」駅よりタクシーで約10分、富山地方鉄道「電鉄魚津」駅よりタクシーで約7分、富山地方鉄道「西魚津」駅、「東滑川」駅より徒歩約20分
■お問い合わせ:0765-24-4100 ■料金:大人750円、 3歳以上100円、小中学生410円

画像はイメージ
画像はイメージ

魚津埋没林博物館で情報を(魚津市釈迦堂)

富山県魚津市は、江戸時代以前から蜃気楼が観測できる場所として有名でした。魚津漁港に隣接する『みなとオアシス魚津』の蜃気楼展望地には、この時期双眼鏡やカメラを持った人たちで賑わっています。「やはり一度は見てみたい」── そんな気持ちにさせるのが、蜃気楼という不思議現象なのでしょう。
また、同じ場所にある「魚津埋没林博物館」には、蜃気楼の情報や展示もあるので、運よく出あえた方も出あえなかった方も、ぜひ訪れてみてはいかがでしょう。
魚津埋没林博物館
■住所:魚津市釈迦堂814 ■営業時間:9:00~17:00(入館は〜16:30)
■交通:車 魚津ICから約10分。 電車 あいの風とやま鉄道「魚津」駅からタクシーで約5分または徒歩で約25分
■休業日:年末年始 ■お問い合わせ:0765-22-1049
■料金:大人520円、小・中学生260円 ※土日祝は小・中学生無料

肉眼で見ることは難しいので、双眼鏡を持って行こう
肉眼で見ることは難しいので、双眼鏡を持って行こう

ホタルイカの海上での産卵は5月まで/ほたるいかミュージアム(富山県滑川市)

富山湾でこの時期、忘れてはならないのが、ホタルイカです。ホタルイカの漁期は3月1日の解禁日から6月まで。まさにいまが旬、美味しいホタルイカを堪能することができます。
ホタルイカが海面に現れるのは深夜から未明にかけて。観光船に乗って海上で産卵が見られるのは4月から5月のわずか1カ月です。また、ホタルイカは産卵のためや、あるいは産卵を終えると大量に海岸近くまでやってきて、最後に体を光らせて力尽きます。
これは「ホタルイカの身投げ」といわれるもので、漆黒の海のなかで無数に青光りするさまは、言葉には表せない幻想的な美しさがあります。5月末まで滑川市を中心に近隣の市で見ることができますが、滅多に見られるわけではありません。
「身投げ」が見られるのは新月の夜が多いといいますが、これも運次第で、タイミングよくお目にかかるのは難しい…(新月は5月26日です)。そこで『ほたるいかミュージアム』に足を運んで、富山湾の生態を知ってみるのはいかがでしょう。
ほたるいかミュージアム
■住所:富山県滑川市中川原410 ■営業時間:9:00~17:00(入館は〜16:30)
■交通:車 北陸自動車道滑川ICから車で約8分。 電車 あいの風とやま鉄道滑川駅から徒歩約10分
■休業日:6月1日~3月19日の火曜日(祝日の場合翌日・年末年始、1月最終月曜日から3日間)
■料金:大人800円・小人400円 (~5月31日)、大人600円・小人300円(6月1日~3月19日)
■お問い合わせ:076-476-9300 (WAVE滑川)
── この時期、富山湾でしか見られない春の風物詩。富山へお出かけの際は、お出かけスポット天気で天候を事前確認のうえ、貴重な自然現象をぜひ味わってみては!

新鮮なホタルイカは美味!
新鮮なホタルイカは美味!