二十四節気「小雪(しょうせつ)」。冷たい雨がやがて雪になるころ

2016/11/22 11:00

「立冬」から早くも15日たち、二十四節気では「小雪(しょうせつ)」となりました。北風が日々冷たく感じられ、日差しもどんよりしがち。木の葉が舞い散り、空気が乾燥してきて、虹も見られなくなるころ。北国だけでなく関東地方の市街地でも粉雪がちらつこうとしています。

ぐっと冷え込むようになって、降る雨が雪に変わるころ まださほど寒さは本格的ではないものの、本日より二十四節気では「小雪(しょうせつ)」。 二十四節気の第20番目で、太陽黄経が240度を通過するときをいいます。 「暦便覧」を紐解けば、「小雪」とは、「冷ゆるが故に雨も雪となりてくだるが故なり」とあるように、ぐっと冷え込むようになって雨が雪になるころ。北風が吹き、北国や山々ではすでに雪が積もっている地域もあります。また、空気も乾燥してくることから七十二候では「虹蔵不見(にじかくれてみえず)」となり、この頃から虹もすっかり見かけなくなります。 いつの間にか本格的な冬が迫り、次第に街路樹も木の葉を落とし、赤や黄色に色とりどりに色づいた落ち葉の絨毯が美しく感じられるようになりました。
紅色のもみじは今まさに見ごろの場所も。花より紅い霜葉とは? 気温差が激しい今年の秋ですが、イチョウやもみじ、カエデと、紅葉がまさに見ごろの場所も多く、紅葉狩りもたけなわ。 晴れわたった日には青空を背景に、燃えるような紅色に染まった紅葉に遭遇することもしばしばです。 そんな紅葉風景を見事に歌ったことで知られるのが、唐の詩人・杜牧(とぼく)の「山行(さんこう)」という七言絶句。 遠上寒山石径斜 白雲生処有人家 停車坐愛楓林晩 霜葉紅於二月花 遠く寒山に上れば 石径(せっけい)斜めなり 白雲生ずる処 人家有り 車を停(とど)めて坐(そぞ)ろに愛す 楓林(ふうりん)の晩(くれ) 霜葉(そうよう)は二月の花よりも紅(くれない)なり ~遥か寒々とした山に登れば、石の小道が斜めに続く。白雲のわくあたりに人家が見える。車をとめて、何ということもなくうっとりと楓林の林の夕景色に見とれる。霜を受けた葉は春の花よりももっと紅い~ 「二月の花よりも紅(くれない)なり」とうたわれた「霜葉」とは、霜にあたった為に紅葉した葉のこと。「二月の花」とは、梅なのか、桃なのか。寒山に紅蓮の炎のように燃える神秘的なまでの絶景が、詩人の心をはっととらえ、早春の山を染める花の色よりも紅く感じられるとよませたのでしょうか。
都心でも初雪予報?暖かくして過ごしましょう 散り際の紅葉に、初雪が降りかかる情景が見られるのも、この「小雪」のころならでは。 折しも11月23日夜遅くから24日朝にかけてぐっと冷え込み、関東地方平野部でも雪になる可能性があるという予報も出ています。東京で11月中に雪が降るのは、54年ぶりということなので、勤労感謝の日は早めに帰宅して暖かくして過ごしたいもの。 庭や公園を彩る紅の木々に、雪の白。見る者の詩情をかきたてるような、美しくもどこか幻想的な自然美に出逢える「小雪」の時分となりました。
※参考&引用 「一陽来復」(井波律子著・岩波書店)

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