野球場からサッカー場へ変幻自在?! 札幌ドームの変身っぷりが “まるで漫画”!! 〈tenki.jp〉|AERA dot. (アエラドット)

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野球場からサッカー場へ変幻自在?! 札幌ドームの変身っぷりが “まるで漫画”!!

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野球場からサッカー場に変身!!

野球場からサッカー場に変身!!

天然芝が浮きながらドームの中へ。

天然芝が浮きながらドームの中へ。

雪空に浮かぶ怪しい物体??…ではありません。

雪空に浮かぶ怪しい物体??…ではありません。

眺めがいい展望台。

眺めがいい展望台。

今年も野球の日本シリーズが終わり、見事、北海道日本ハムファイターズが日本一となりました。10月末、広島vs日本ハムの激闘が続いた札幌ドームですが、実はこのドーム、他の球場とは大きく違うところがあるのです。それは、サッカー場としても利用できる、ということです。そして驚くべきことに、野球場からサッカー場に変身するときは、屋外にあるサッカーフィールドの天然芝がそのまま、ドームの中へと移動するのです!! その変身ぶりは“まるで漫画”!! 昨日は野球場だったと思ったら、今日はサッカー場と、変幻自在の札幌ドーム。その驚きの変身法とは…。

天然芝のサッカーフィールドを浮かせて移動 ?! 外野席をよけて、巨大な扉が開くのだ

2002年(平成14年)、サッカーのワールドカップ大会が日韓で共催されましたが、その候補地に立候補するため、札幌ドームが建設されました。
もともとは北海道コンサドーレ札幌のホームスタジアムとして知られていましたが、2004年には日本ハムを迎え入れ、プロ野球の本拠地にもなりました。サッカーと野球、両方のプロチームの本拠地となっていて、しかも、サッカーのフィールドが天然芝という、世界でも珍しいスタジアムです。
サッカーのフィールドは天然芝で、縦120m、横85m、重さ8,300tの長方形です。この超巨大なフィールドを空気の圧力によって7.5cm浮かせ、34個の車輪を使い、分速4mでドームの中へと移動させるのです!!
野球場からサッカー場へ変身する工程を見てみると、
・野球場の天然芝を巻き取る。

・コンクリートの床になる(コンサートや展示会が開催される場合はこの状態)。

・外野席側の超巨大な扉、「ムービングウォール」がふすまのように左右に開く。

・外野中央の席は「開閉式可動席」。席を折りたたみ、左右の外野席の下に収納する。

・野球用に張り出している扇形の内野席を旋回し、客席を長方形にする。

・サッカーフィールドが浮きながらドームの中に入る。

・ドームの中でフィールドが90度回転する(野球のときとサッカーのときではメインスタンドの向きが違うため)。

・外野席と扉を戻す。

・サッカーモードの完成 !!
あそこを開けて、ここをたたんで、そこに収納して、これを移動して…。まるで、男の子の変身おもちゃのように、野球場からサッカー場へとチェンジします。
冬でも外でサッカーの試合ができる本州以南と違い、冬は雪で閉ざされる北海道では、雪が積もる屋外でサッカーの試合をすることは不可能でした。しかし、札幌ドームではそれが可能となり、札幌コンサドーレの試合も多く開催されています。今では、野球にサッカーに大活躍するドームになりました。

しくみは世界初の「ホバリング」。重さを10分の1にして、分速4mで進む

ドームの中へと移動するサッカーフィールドの重さは約8,300t。ジャンボジェット機約30機分もあります。 そんな重たいフィールドをどうのように動かすのでしょうか。それは、ホバークラフトのように空気の圧力を利用するのです。
空気圧でフィールドを7.5cm浮上させて、重さを10分の1にします。フィールドの下には34個の車輪があり、そのうち、モーターで動くのは26個。残りの8個には動力はついておらず、フィールドが動くのがスムーズになるように、支えています。
移動するときは、分速4m。1分間に4mというから、かなりゆっくりです。この速さは、回転寿司が回る速度とほぼ同じだそうです。

天然芝は冬は外で待機。積雪のおかげで芝は凍結しない。春には雪かきボランティアを募集

サッカーの試合がないときは、天然芝のフィールドは屋外に置かれています。外では充分に日光が当てられ、良好な芝が育てられます。そして、いざサッカーの試合のときに、ドームの中へと移動します。
それでは冬はどうするかというと、翌年の3月までそのまま屋外でひっそりと冬を越します。極寒の札幌で芝生が枯れてしまうのでは…と思ってしまいますが、反対に、深い雪で守られるので、風や乾燥、寒さにさらされることなく冬を越すことができるのです。
どんなに気温が低くても、天然芝に降り積もった雪のおかげで、地中5cmの温度は0.3~0.5℃なので、芝は凍結することはありません。アスファルトに積もった雪はガチガチに凍ってしまいますが、土に積もる雪は凍結しない…。この理論、雪の下に野菜を埋めておいしさを保つ「越冬野菜」の技術と同じですね。
雪が少ない年でも札幌では軽く50cmは積もります。春になると、フィールドの雪を除雪機で除雪したり、アンダーヒーティングで雪を融かしたりします。しかし、機械の除雪だけでは天然芝を傷つけてしまうので、最後の仕上げは人の手で除雪します。そこで札幌ドームでは毎年3月になると、コンサドーレの開幕戦にともにない、除雪のボランティアを募集します。
積雪20cmまでは機械で除雪し、残り10cmまではドームのスタッフが人力で除雪します。10cmの雪を残すのは、天然芝が冬の風にさらされて葉が黄色く変色するのを防ぐためです。そして、最後の仕上げに除雪ボランティアが汗だくで雪かきをして、除雪完了です。ドームなのに除雪? なんとも矛盾する話ですね。

サッカー場への場面転換を見ることができるツアー。今年は11月18日

札幌ドームでは年に何回か、場面転換の作業を一般に公開しています。コンクリートモードからサッカーモードへの転換が見られるのは、今年はあと11月18日だけです。
“変身”を見ることができる方法は2種類あります。
①ドームツアーに参加する(有料)。
ふだん見ることができないドームの裏側も見ることができる人気のツアーです。ガイドが案内してくれて、スタンドから作業を見ることができます。場面転換の作業を撮影した紹介VTRも見ることができます。
②3階コンコースから見学する(無料)。
展望台、またはキッズパークの営業日であれば、3階のコンコースから作業を見ることができます(展望台への入場は有料)。
〈参考サイト:札幌ドーム公式ホームページ〉
今年のプロ野球では、大谷翔平選手が“まるで漫画”のような活躍をして話題になりました。そして、彼が所属する日本ハムの本拠地「札幌ドーム」が、“まるで漫画”のように変身していたとは驚きです。来年はこの漫画のように変身する札幌ドームで、彼はどんな活躍を見せるのでしょう。プロ野球ファンとしては来年もまた、大谷選手が“まるで漫画”のような活躍をしてくれることを期待してしまいます。


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