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第66回 ご愛読ありがとうございました これからも「ほめちぎっ」ていきます!(^o^)

文・谷川賢作

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ノリノリでいくぜい! 一番左が筆者 佐々木善暁(bass) 池田安友子(perc) 森下綾(clarinet) の皆さんとともに (撮影/森田守恒)

ノリノリでいくぜい! 一番左が筆者 佐々木善暁(bass) 池田安友子(perc) 森下綾(clarinet) の皆さんとともに (撮影/森田守恒)

開演前にコンサートスタッフの皆さんとともに ここもノリノリだぜえ(^o^) (撮影/スタッフのどなたか

開演前にコンサートスタッフの皆さんとともに ここもノリノリだぜえ(^o^) (撮影/スタッフのどなたか

 14年の5月の連載開始以来3年3ヶ月続きましたが、唐突に最終回です。今までご愛読、心からありがとうございました。ちょっとホッとしております。で、絵文字も解禁(^^)

 「月2本書く」という当初決めていたペースだったのですが、これがとんでもないハイペースだったと痛感。原稿を書く、という作業はSNSで「つぶやく」ようなこととか、家族や友達と気楽に話しているようなことともまったく違うのですね。よく「それそれよ!今話してることおもしろいから、それをそのまんま原稿書けばいいじゃん」なんて気楽に言われますが、いざ「文字化」する時にはその「鮮度」はすでにどこへやら。雲散霧消。キーボードを前にして呆然としてしまいます。

 それに原稿を書くという作業は、ライブ終わって帰ってきて夜中にウイスキーの水割り片手にチャチャっと書くなんてこと、まったく不可能です。一日中譜面の浄書でパソコンに向かっていた後に書くなぞ、ありえない。なにせもうディスプレイが霞んでよく見えません。例外もあるにはありますが。連載の何本かは、ライブ翌朝のホテルの朝に、次の演奏地への移動前に朦朧(もうろう)としながら必死で書きました(^_^;

 確かに今までも様々な原稿書きなぐってきた(おいおい、ちゃんと稿料頂いているのだろう、君!)のですが、それでもそれは「単発」でのことなので「よしがんばれ、エイヤッ!」でその都度を乗りきってきたのですが、これが連載となるとまったく違う。行けども行けども「しめきり」がある。まるでゴールの見えない「障害物競走」。
 しかし陸上競技のあの「3000m障害」まったく人間ってどうしてこんな過酷な競技を思いつくのでしょう。あの「水濠(すいごう)」の深さ一番深いところで70cmもあるって知ってました?テレビで見るとそんなに深く見えないのですが、70cmですよ。私なんかもうようやっと飛び越した途端に膝上、股下くらいまでどっぷり。水濠の長さも3.66mもあるとのことで、3kmも走るだけでも疲れるだろうに、障害越したり、水たまりの中を走ったり。ああ、それが人生なのさ。~ ケ~セラ~セラ~(T-T)

 脱線終了。ここが私の“天の邪鬼”なところなのですが、原稿書きそんな苦手なん?って言われると、そうでもないのです。ただし「ノッテル」時はね。基本ミュージシャンですから、あたしゃあ。“ノリ”命です(*^^)v

 そう。“ノリ”で書いてきましたねえ、ずっと。しかし今振りかえると「旅と職人」これがこの連載のキーワードだったかなあ。「野球」という切り口も一つあったのですが、今シーズンは贔屓のチームがあまりにも絶不調なので(シーズン100敗も視野に入ってきました(^_^;)野球と音楽の親和性について、できるだけ考えないようにしています。「本と映画」についても多く語りました。ですが、これは「職人」という大枠で括ることができるような気がします。

 あと、またしても反省なのですが、「ほめちぎる」と言っている割には「文句」も多かったかなあ。もういい歳だし、できるだけ多面的に物事をとらえて、自分にとって良く見える側面からのみ光を当てたいなあ、といつも思ってはいるものの、私の魂の核にある“ダークサイドの本音の部分”というものはかなり強烈で、そことできるだけ折り合いをつけてやっていこうとは思うのですが、時々どうしてもマグマのように噴出してしまいます。許してくだされ。あと“世の主流”になってしまったものに対する、疑いとアンチな態度というのはいくつになっても私の基本姿勢です。(だからいつまでたっても売れないんだね君は。ピンポン!でも、もう売れるとか売れないなんて言っている歳ではないでしょうが(^_^;)

 今までもこれからも「共感力、共鳴力」というものが、私だけに限らず今を生きる誰しもに必要だと思います。私たち作品を作り続ける人間にとっては、共感力、共鳴力は生命線であり命綱だと思う。その力が落っこちていかないように、これからも予想外な破天荒な、突然に目の前に現れるすんばらしい未体験な刺激=あまたの作品群とともに、楽しく豊かな人生を送ろうっと。「ほめちぎり」続けるぞ?エイエイオー!って、なんだかアホな私に似合わず、少しだけ教訓的なダサいしめですか?あはは(^o^)

 皆さんお元気で!


(更新 2017.8.21 )


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プロフィール

谷川賢作

谷川 賢作(たにかわ・けんさく)作/編曲家 ピアニスト

1960年東京生まれ。ジャズピアノを佐藤允彦に師事。演奏家として、現代詩をうたうバンド「DiVa」、ハーモニカ奏者続木力とのユニット「パリャーソ」に所属。また父である詩人の谷川俊太郎と、朗読と音楽のコンサートを全国各地で開催。80年代半ばより作・編曲の仕事をはじめ、映画「四十七人の刺客」「竜馬の妻とその夫と愛人」、NHK「その時歴史が動いた」テーマ曲等を手がける。88、95、97年に日本アカデミー賞優秀音楽賞受賞。2014年度船橋市文化芸術ホール芸術アドバイザー。音楽を担当した最新映画は「カミハテ商店」「SAYAMAみえない手錠をはずすまで」。最新刊『げんきにでてこい』(カワイ出版)、最新CD『うたがうまれる』 谷川賢作オフィシャルサイトhttp://tanikawakensaku.com/